id
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10
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15.8k
|
---|---|
scp-001-jp |
以下のファイルは管理者の権限により
最高機密
に分類されています
一般通告001-アルファ: SCP-001-JPの情報漏洩の防止策として、偽造SCP-001-JPファイルが本当のファイルと共に複数作成されました(または作成されていない)。偽造を含む、全てのSCP-001-JPの性質に関する資料にはミーム殺害エージェントによる保護が施されており、無許可の職員がファイルへのアクセスを試みた場合、即座に心停止が引き起こされるよう設定されています。████-███-██████下の要請を除き、SCP-001-JPの本当の性質を一般人に公開する行為は処刑事由となります。
警告:
このファイルにアクセスしている無許可の職員はベリーマン=ラングフォード・ミーム殺害エージェントにより即座に処分されます。適切なミーム摂取無しに下部へとスクロールを行えば、即座に致死性の心停止が発生します。
待機してください。
ミーム殺害エージェント作動
生命徴候の継続を確認
安全装置を解除
ようこそ、担当職員様。ご希望のファイルを選択してください。
コードネーム: Kwana - 艦橋
コードネーム: broken_bone - ししまいっ!
コードネーム: tokage-otoko - おもちゃ箱
コードネーム: toraya - 鬼穴
コードネーム: hal_aki - 表裏一体の科学と魔法
コードネーム: locker - プロトコル-Kナンバーズ
コードネーム: solvex - 免罪と箱庭
コードネーム: O-92 - 認可
コードネーム: Okaka_Onigiri - PLANeT
コードネーム: amamiel - Ave Maria
コードネーム: WagnasCousin - 進化
コードネーム: chuukunn - 二者択一
コードネーム: darumaboy - 蜜
コードネーム: indonootoko - 現人神
コードネーム: k-cal - 天秤 君が探している引き継ぎ文書
コードネーム: 京極 - バックベアード
アクセス拒否
財団博士の人事ファイル
コードネーム: Ikkeby-V - 群盲
コードネーム: hannyahara - 最後の一人
コードネーム: ykamikura - 春と共に去りぬ
コードネーム: Okaka_Onigiri II - 隔絶
コードネーム: solvex II - 箱庭は誰のものか
コードネーム: hannyahara II - 存在意義
コードネーム: R-00X - 無に揺蕩う
コードネーム: 時絡 - 酔醒
コードネーム: Fennecist - 無題
コードネーム: 飯落 - 時刻
コードネーム: 御舍利 - 大八嶋
コードネーム: 天眼 - 始源礎火
コードネーム: Wagnas/Fatty/R-00X - 継承
コードネーム: indonootoko III - 外神
コードネーム: Amaryllis-en-Grappe - 審議中
コードネーム: Amamiel=Sanks - 末日の夢語り
コードネーム: R-00X II - 物語
コードネーム: 雨四光 - 綺羅
コードネーム: 月夜見 - かくも利己的な我らの血
コードネーム: 物 - 世界蛇
コードネーム: Shicoolrkiann -
コードネーム: 日辻養 - 我々
コードネーム: 或る西瓜 - 焚書坑儒計画
コードネーム: Wagnas/aisurakuto/izhaya/R74 - 幻想
コードネーム: 御器所 - 神州
コードネーム: izumi_sngw/KanKan/Mas_kera_de/mojamoja/Okaka_Onigiri/solvex - Quality of Death
コードネーム: indonootoko V - 妄創癖の神
コードネーム: アシッド - 我らを待つゴールテープ
パラドックス文書001
"て"は「提言」の"て"
コードネーム: もがな - 命あらん友
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scp-002-jp |
評価: +223+–x
アイテム番号: SCP-002-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-002-JPは現在改定された特別収容プロトコルによりクラス4バイオハザード物質として管理されます。これはSCP-002-JPへの物理的破壊の試みにより新たに発現した特性への対応のためです。概要は事故報告書002-A1を参照してください。
SCP-002-JPは厚さ1メートルのコンクリートで覆われた半径8メートル高さ6メートルのドーム状の収容棺にて密閉され、同じ構造を持った収容室内にて管理されています。コンクリート棺は監視カメラによって24時間体制で監視され、異常があった場合はバイオハザードスーツを着用したDクラス職員によって即座に修復がなされます。スーツは焼却処分を行い、携わった職員は米、小麦などの食事を与えた後24時間の間隔離されます。職員に異常が見られた場合は即座に処理を行ってください。
説明: SCP-002-JPはジャポニカ種の稲の姿をとり、季節などに関係なく常に種子を実らせた状態を保ちます。O5による破壊承認に基づきSCP-002-JPの破壊の試みが行われていますが現在の所成果は上がっていません。人員、無人機による接触の試みは対象の活性化をもたらし、人員の死亡または機器の破損といった結果を招きました。物理的破壊の試み、銃弾による狙撃、戦車砲による砲撃、熱、酸、長期の渇水などでは影響を与えることができず、破壊の試みは中断されています。
SCP-002-JPには二つの特性があります。
002-A1: SCP-002-JPを宿主とした未知の細菌の発生と周囲への拡散。この細菌はSCP-002-JP-1に指定されます。この細菌は多くの穀類に感染します。現在の所すべてのイネ科植物(小麦、トウモロコシなどを含む)へ空気感染し、増殖、拡散していきます。イネ植物に感染したSCP-002-JP-1は未知の毒素を構成します。この毒素は熱に耐性があり、300度以上の高温で変質し無力化されます。人間がこの毒素に汚染された穀類を摂取した場合、胃や腸などの消化器系の表面に由来不明の油脂成分が発生します。この成分は人体では消化できないワックスエステルです。摂取者は猛烈な下痢と嘔吐を繰り返しやがて脱水症状を引き起こした末に死にいたります。油脂成分は常に分泌され続けるため外科的な除去では効果は無く、摂取者は絶えず肛門から油脂成分を垂れ流す状態となります。何も処置をしない場合、多くは24時間以内に死亡し、点滴などで栄養と水分を摂取し続けた場合は一週間程度延命が可能です。毒素は300度以上の熱で分解される事がわかっています。SCP-002-JP-1は芽胞を形成するため高温や無酸素状態でも長期間にわたって生存し、あらゆる抗生物質の影響を受けませんが、唯一にんにくに含まれる成分だけが増殖を阻害することが分かっています。
002-A2: 接近した人物、動物および器物などからの回避行動。これは対象の半径5メートルの距離に接近することにより発現し接近した存在全てから素早く回避する行動を取ります。回避位置に障害となる物が存在した場合、それは破壊されます。この特性は最初の破壊実験、熱により損傷を与えられるかの試行時に発現し、ガスバーナーを所持した職員から回避する行動をとり続けました。数人のDクラス職員による確保の試みにより、収容室内の角に追い詰められたSCP-002-JPは厚さ40cmの鉄筋コンクリート製の収容壁を破壊しました。高出力のレーザーの照射も回避するため未来予知に類似した能力が備わっている可能性が指摘されています。四方周囲からの火炎放射による試みは敷設の床部の崩壊をもたらす被害を発生させました。その後、落下地点を中心として新たな収容プロトコルが確立されました。
補遺1: SCP-002-JPは日本の岩手県にある人口60人程度の集落内の社にて発見されました。SCPの効果により集落内で多数の死者が出ており、財団が調査を行いました。集落民から得られた情報ではSCP-002-JP-1による汚染と思われる症状はこの地では風土病とされており、数年に1人程度の死者が出ている事、死者があった場合は社に食料品などの供物を捧げていた事などが判っています。さらにもともと社には神主が代々暮らしていましたが、近年になってその血筋は絶えてしまい、社を管理する者が居なくなってしまったのがSCPの活性化の原因であると語っています。幸い集落は周辺と隔絶されておりSCP-002-JP-1の感染は最小限に抑えられました。
財団は社内部に祀られていたSCP-002-JPを回収後、集落民全員にAクラス記憶処置の上移住させ、集落全域の熱処理を行いました。
補遺2: SCP-002-JPの回収後、新たに002-A2に指定される特性が発現しました。これはSCP-002-JPに対する最初の破壊の試みを行った際に現れ、破壊の試みは失敗しました。続くテストにおいてもすべて同様の結果をもたらしたため実験は凍結され、収容プロトコルの変更が行われました。
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scp-003-jp |
評価: +89+–x
評価: +89+–x
クレジット
タイトル: SCP-003-JP - ████████の秘密開発兵器
著者: ©︎broken_bone
作成年: 2013
その他のライセンス
評価: +89+–x
評価: +89+–x
その他
この記事はbroken_boneさんの作成した記事を復活させたものです。経緯はこちらを参照してください。
評価: +89+–x
評価: +89+–x
アイテム番号: SCP-003-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-003-JPは東シナ海の収容エリア-8109に設置されています。収容エリア-8109の情報は地図、衛星写真から抹消してください。収容エリア-8109の位置する海域には海上強盗の出現情報を流布し、財団の所有する海上保安庁所属の巡視艇にてパトロールを行ってください。収容エリア-8109の20km以内に民間船舶が入った場合は、無線による海域離脱を命じてください。5km圏内に侵入した場合は船舶を拿捕し、乗員にCクラス記憶処置を施した上で、120km以上離れた海域に開放してください。船舶が明らかに上陸を目的としている場合は、無線妨害を行ったうえで沈没させてください。
収容エリア-8109には回収部隊い-7"虎縞猫"を常駐させ、出現したSCP-003-JP-1の回収を行ってください。SCP-003-JP-1の危険度に応じて回収部隊い-8"赤猫"、回収部隊い-9"大熊猫"の出動、あるいはSCP-003-JP-1の破壊が承認されます。SCP-003-JP-1の破壊がきわめて困難な場合は、収容エリア-8109に設置された核兵器の起爆を行ってください。
回収されたSCP-003-JP-1が分類済みオブジェクトの場合は、関係部署に報告の上、再収容を行ってください。
また、駐留する回収部隊は島内を捜索し、未回収のSCP-003-JP-2を発見してください。回収されたSCP-003-JP-2はサイト-8190の重要文書庫に収容してください。SCP-003-JP-2の閲覧は、3名以上のO5の許可を得たレベル4以上の職員にのみ認められています。
国内でシナリオ81BCクラスの事態が発生した場合は、SCP-003-JP及び同等品の積極的活用が許可されます。
説明: SCP-003-JPは東シナ海の██████島(収容エリア-8109と指定)に放置されている、████████戦中の████████████国によって開発された物資輸送装置です。24の[削除済]を格納した容器と高さ3mの金属製の円筒がケーブルで相互接続されている構造で、外部からのエネルギーの供給が無くとも動作します。19██年に[削除済]を用いた超能力兵器として開発されましたが、戦況上の理由から物資輸送装置として調整されました。しかし原因不明の暴走により、現在SCP-003-JPは無秩序に物品を周囲に取り寄せます。SCP-003-JPによって取り寄せられる物品(SCP-003-JP-1と指定)は生物無生物を問わず、肉眼やカメラなどで監視されていない状況にある物体が対象となります。4████件中3件程度の割合ですが、SCPオブジェクトとして指定されているオブジェクトや、財団が確認していないオブジェクトにも及びます。
SCP-003-JPが財団の目に留まったのは、SCP-███の収容違反によるものです。SCP-███が収容環境から突如消失し、装着されていた追跡装置が██████島を示したことにより発見に至りました。発見当初、██████島にはSCP-003-JPが██年の間に取り寄せたSCP-003-JP-1が無数に散在しており、大規模な回収ミッションが展開されました。
現在、SCP-003-JPはその性質から施設内での封じ込めが困難と判断され、██████島に設置されたままとなっており、配置された部隊によるSCP-003-JP-1の回収によって対応を行っています。また、分類済みオブジェクトを取り寄せる可能性がある点については、危険度の高いものはカメラなどで監視されているため、SCP-003-JPの影響を受ける可能性が低いとされています。また、SCP-003-JPの解体作業中に起きた、作業員の失踪及び取り寄せにより、SCP-003-JPにはある程度の自己修復機能があると考えられます。現在、SCP-003-JPの破壊は保留されています。
なお、回収された技術文書(SCP-003-JP-2と指定)には、SCP-003-JPの製造方法が詳細に記述されており、薬物処理された[削除済]を使用することで容易に再現できることが判明しました。SCP-003-JP-2を参考に、Dクラス職員を用いて再現を行ったところ、過去の実験記録と同じ性能で動作するSCP-003-JPと類似した機能の装置が完成しました。しかし、SCP-003-JP-2中のSCP-003-JPと現在のSCP-003-JPの形状に大きな齟齬がある為、何者かによる改造、あるいはSCP-003-JPによる自己改良が行われている可能性があります。試作された装置は各種シナリオ発生時に備え、分解された上でサイト-8190内の8ヶ所に保管されています。
補遺:
SCP-003-JP-1回収ログ:
日時については省略
回収アイテム
回収結果と事後対応
箱に入った中国製の鉛筆(HB 1ダース)
回収後、回収部隊駐留施設に保管
ウシガエル一匹
回収後に解剖。胃の内容物から████県の██████池に生息していたものと推定される
「233」のナンバー入りタグが付いた鍵
回収部隊駐留施設にて保管中。どこから回収されたかについては調査中
財布
中の運転免許証から持ち主を確認。持ち主の身辺調査を行い、本人に異常性がないことが確認された。アイテムは現在、サイト-8181にて保管中
貨物コンテナ
回収後、中を確認すると男女25名の死体が収められていた。検死の結果、死因は脱水症状によるものと判断された。標本は全て保管エリア-8124に保管された
雄のマレーグマ
麻酔銃を用いて捕獲。サイト8169にて飼育中
8kgの石
分析の結果、表面に大量の宇宙線痕が確認された。おそらく月の石
拳銃1丁
刻印されたナンバーからエージェント████への支給品と判明。エージェント████への処分を撤回し、新たな拳銃を支給した
財団職員██████
SCP-003-JPの分解作業任務中、構成パーツの[削除済]を取り外した直後に失踪。SCP-003-JPに接続された状態で発見された。連鎖的な影響が考えられるため、██████の救出は保留中
SCP-███-JP
発見当初は一般的な[編集済]だと考えられていたが、回収後にSCP-███-JPと判明した。再収容済み
[削除済]
収容後、SCP-███-JPとして分類された
回収された記録文書(抜粋):
実験記録
個人文書003-JP-1
個人文書003-JP-2
新兵器の稼働状況についての実験記録の概要を以下に示す。より詳細な内容については、各報告書を参照せよ。
対象: 空の燃料缶
攻撃方法: 対象を中心とする、上方向への力場形成
結果: 高速(目測では時速80kmほど)で上空に向けて飛翔。兵器停止後、4分でほぼ元の位置に落下。対象は落下の衝撃で破壊された。
所感: この出力ならば大重量物でも十分に浮遊可能だ。
対象: 空の燃料缶
攻撃方法: 対象を中心とする圧縮力場の形成
結果: 圧潰。対象は直径3cmの球状に成型された
所感: 出力はこれまでの実験と同程度だったが、威力は十分だ。敵戦車も破壊可能だ
対象: 海水を満たした燃料缶
攻撃方法: 2秒間の対象の熱量を増加、その後2秒間熱量を減少させた
結果: 燃料缶内の海水は瞬時に沸騰し、圧力で燃料缶が破裂。しかし海水が周囲に飛び散る前に熱量現象が行われ、瞬間的に海水は凍結した。
所感: 破裂した際に飛び散った燃料缶の破片で負傷者が一名出た。その他は問題なし。
対象: 一個小隊
攻撃方法: 海上に我が国の大艦隊の幻影を作り出す
結果: 対象は全員大艦隊を目視したと報告した。しかし、その内訳については全員異なる物だった。
所感:「大艦隊」と曖昧に指定したせいで、幻影が個人によって変化したと考えられる。しかし敵軍の情報攪乱用には十分である。
対象: 実験用筏近海を航行していた民間船舶
攻撃方法: 高出力[文書破損により判読不可能]
結果: 船体は無傷。船舶に接近したところ、乗組員の半数は死亡、残る半[文書破損により判読不可能]
所感: [文書破損により判読不可能]果は確実に敵軍を無力化できるが、副産物の処理に手間を要する。陸上での使用は避けるべきだと考えられる。
19█1/12/19: 中枢を再配置。交流速度に上昇がみられる。
[文書破損部]
19█3/1/7: 中枢格納容器を改良。再配置と接続が一層容易になった。
[文書破損部]
19█3/12/8: 中枢内防腐液の成分を変更。5年間の試験において、驚異的な殺菌能力と不揮発性を有していた防腐液が採用された。これで定期的な防腐液の交換が不要になる。
[文書破損部]
19█4/8/6: 命令入力方式を、専用回路形成方式からパンチ・カード読み取りによる自動回路形成方式に変更した。パンチ・カードが画一的なため攻撃方法の柔軟性が低下するが、問題はない。
[文書破損部]
19█4/10/1: 本国より新たな中枢が持ち込まれた。組み込みを行い、基本試験と調整を行った。結果は良好。
19█4/10/10: 中枢を全て組み込んだうえでの実験を開始。全てにおいて威力・性能が向上。
[文書破損部]
19█5/3/19: 本国より"装置"の開発状況についての報告を求められた。"装置"を用い、本国の軍本部に向けて開発状況報告書を転送した。
19█5/3/20: 本国より緊急命令。"装置"を改良し、輸送専用にせよとのこと。戦況変化により破壊兵器よりも、物資の補給が重視される模様。命令ならば仕方ない。
19█5/3/26: パンチ・カードによる命令読込形式から、転送用回路に変更した。
19█5/4/2: 専用回路による転送実験を実施。本国に問題なく実験対象は転送された。
19█5/4/5: 専用回路による転送実験において問題が生じた。本国から本島への転送実験の後、転送による取り寄せが間断的に発生するようになった。現在までに3点の物資が、本島にどこからか転送されている。
19█5/4/10: 実験施設内にクジラが転送され、建物が大破した。これにより"装置"への接近が不可能になったため、一連の転送を停止できなくなった。
19█5/4/15: 島内で虎の目撃が報告された。本島に虎はもちろん、大型の動物は存在しないことはこの数年で確認されている。新兵器により転送されたのだ。
19█5/4/20: 大破した施設の無線機を回収に行った連中が帰ってこなかった。救援を呼ぶのはもう無理だろう。定期輸送船が来るのを待つか、筏でも組んで逃げるしかない。しかし、戦況はどうなっているのだろう。事故前の本国の様子からすると、あまり芳しくないようだが。
19█5/4/22: 現在の拠点の近くに虎が出た。それも先日とは違う個体だ。もはやこの島は安全ではない。定期輸送船を待ってる暇はない。
19█5/4/25: 筏は完成した。しかし人数と水を計算すると、余計なものは持っていけない。この手帳はここにおいて行くことにする。技術情報は我々の頭に入ってる。本国ならばいくらでも中枢の材料はあるから、また"装置"を作れるはずだ。
現在使用されている中枢は、いずれも国内で発見された、いわゆる天然ものである。
中枢の性能は生前の性能に大きく左右され、生前に得意であった分野を引き継ぐ模様である。
現在、読心と未来予知については9体中6体と、十分な数の中枢が確保されている。しかし念動力をはじめとする、各種動的中枢は不足している。
以上より、本国にて計画されていた██████作戦の副産物である、薬物による能力開発を用いた中枢の生産を行った。
結果、15体分の素材を確保することに成功した。素材はすぐに防腐処理の上、中枢に改良された。
予定通り新兵器に15体の中枢を組み込んだ。調整及び基本試験では、一切問題が無かった。
実験を経て十分な実用性が確認できれば、本格的な量産に入る。
これで、東側の連中にも勝てるぞ。
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scp-004-jp |
評価: +303+–x
アイテム番号: SCP-004-JP
オブジェクトクラス: Safe
SCP-004-JPと類似した外見のPC-G850VS
特別収容プロトコル: SCP-004-JPはパスワード付きのロッカーに保管してください。研究を行う場合事前に書類によるO5の認可を受け、研究後の被験者は必ず記憶処置と全身MRI検査を行ってください。
説明: SCP-004-JPは重さ380g、大きさ196 x 95 x 20mmの多機能電卓です。出所は不明ですが、外見は型番の表記が無い事と重さが約2倍である以外はシャープ製の学校向けポケットコンピュータであるPC-G850VSに極めて類似しています。SCP-004-JPはキーボードで入力した計算式を論理的矛盾が発生するものであっても正確に算出します。論理的矛盾・████、██、███の存在証明、███████等正確な解答が求められていない計算式を途中式の描画を行いながら求めることができますが、被験者が途中式の意味を理解する事で█████を発症し[編集済](実験記録を参照)。SCP-004-JPには一般的な四則演算、関数電卓機能に加え、自然言語による入力が可能です。自然言語処理モードでは多くの外国語(対応外国語の項を参照)に対応し、単語と単語の間を「»」で区切ることによりカテゴリによる計算式の入力が可能です。プログラム言語(対応プログラム言語の項を参照)の入力も可能です。
+ 対応外国語(モード選択画面から引用)
- 対応外国語を隠す
対応外国語(想定)
表記
動作検証
補足
英語
EN
済
フランス語
FR
未
ロシア語
RU
未
日本語
JP
済
不明
DL
未
「イルカ語」ではないかという案が出ている
████語
██
未
[編集済]
エスペラント語
EP
未
不明
2乍
未
「乍」の縦線に垂直に引かれた横棒は3本
その他
ETC
未
一覧に存在しない言語。以下、このモードで入力
中国語
済
D-004-JP-04語
済
D-004-JP-04による出鱈目
+ 対応プログラム言語(モード選択画面から引用)
- 対応プログラム言語を隠す
対応言語(想定)
表記
動作検証
補足
FORTRAN
FORT
未
C言語
C
済
B言語
B
未
COBOL
COBL
未
LISP
LISP
未
BASIC
BASC
未
BCPL
BCPL
未
ALGOL
ALGO
未
PL/I
PL/1
未
SIMULA
SMLA
未
FORTH
FRTH
未
その他
ETC
済
一覧に存在しない言語。以下、このモードで入力
BRAINF█CK
済
その他から入力
メモ: 一覧に表示される言語は1957~1972年までの言語である。
補遺: 実験ログ
実験方法1: 実験には幾何学、微分積分学、数理論理学等の数学分野を習得済の被験者を使用。被験者はSCP-004-JPへの計算式の入力操作を行う。
実施: 199█/██/██ 16:30
被験者: D-004-JP-01
計算式: 1+1=
出力結果: 2
途中式: ペアノの公理・帰納的定義・自然数の加法を用いた証明。
被験者: D-004-JP-01
計算式: PI= (円周率)
出力結果: ステータスに"inf-"が付加。小数点以下████桁以上が算出された。
途中式: 従来の高速フーリエ変換を用いた式に加え████████の特性を利用した式
被験者: D-004-JP-01
計算式: Sociable Numbers » Length » Max (社交数の最大の長さ)
出力結果: ステータスに[編集済]。
途中式: [編集済]
メモ: 被験者が体調不良を訴える。記憶処理完了後体調が回復。
実験方法2: 前回の実験に加え、被験者の頭部には脳波測定器具を取り付けた。また、D-004-JP-04に限り数学的知識が乏しく中学生用学力テストの点数が3割以下の被験者を用いた。
実施: 199█/██/██ 09:45
被験者: D-004-JP-02
計算式: 自然言語処理・日本語モードで、「3人の子供が300円のお菓子を割り勘で買った。会計直後、店員が50円引きをしていた事を思い出し、子供に50円返すことにした。しかし、50円では3人に配分できない。そこで50円の内20円をこっそり自分の懐に入れ、子供にそれぞれ10円ずつ返した。子供が支払った金額は90円。全員合わせると270円となる。さらに店員が懐に入れた20円を足すと290円になる。さて、差額の10円はどこへ消えた?」と入力
出力結果: 間違い!:計算方法
途中式: SUM[B->A[10]*3;A->B[250];A->C[20]]=300 (正しい計算方法を提示)
被験者の異常: なし
被験者: D-004-JP-02
計算式: My » Life Span » Length (被験者の寿命)
出力結果: ███000 seconds
途中式: [データ削除済]
被験者の異常: 急激な海馬領域の神経損傷が見られ、大声を出して泣き叫び始めた。
メモ: 被験者は記憶処置を激しく拒絶。記憶処置から█日後、███事故による[編集済]。SCP-004-JPは未来予知能力を持っている可能性があるため、後日実験を行いたい。
被験者: D-004-JP-03
計算式: 自然言語処理・英語モードで、「Can an omnipotent being create a stone so heavy that it cannot lift it?」と入力 (全能の逆説)
出力結果: YES
途中式: [データ削除済]
被験者の異常: 途中式を読んだ情報量に比例し過剰なストレスと海馬領域の神経損傷が見られた。被験者は激しい自殺願望により床に頭を強く打ちつけ[データ削除済]、大量出血により█時間後死亡。
実施: 200█/██/██ 14:05
被験者: D-004-JP-04
計算式:自然言語処理・ETCモードから、 中国語(簡体)で「2等于1。为什么不呢?」と入力 (1=2である。なぜ?)
出力結果: 中国語で[データ削除済]。
途中式: 無限連分数・区分求積法・留数定理・█████法・█████の定理・█████・████████の法則を用い、バナッハとタルスキーによる証明・シュレーディンガーの猫・███████████の█████・████の側面から評価した1=2の証明式
被験者の異常: 途中式を見ることに軽度の拒否反応を起こすが脳損傷や精神異常は見られず
メモ: 中国語がデフォルトで一覧表示されていないにも関わらず、中国語で用いられる漢字の変換が可能なようだ。それならばなぜETCの項目が存在するのだろうか。現状、「開発者や特定の使用者の国籍に配慮した作りになっている為」という考察案が上がっている。
被験者: D-004-JP-04
計算式: 自然言語処理・ETCモードから、 適当にランダムにタイピングを行い「うろkjふぅjbjsぶいぁうgfるふいえfぶgヴlふいglwlfjhzbふえgふいgldbzyrkべrf」と入力
出力結果: A89-H]58负2~3+PÇ///⊥йGH+;d;
途中式: 英数、フランス文字、中国文字、ロシア文字、ギリシャ文字、記号、数学記号、████文字、不明の文字が使われた10576行の文字列
被験者の異常: なし
被験者: D-004-JP-04
計算式: 自然言語処理・英語モードで、「Who made you?」と入力 (SCP-004-JPの製作者)
出力結果: D.O.L.P.H.I.N.
途中式: 年表を出力。内容は[編集済]アルベルト・アインシュタインからヴァネヴァー・ブッシュへ[編集済]ザナドゥ計画の一環として設けられた[編集済]にて██████・█・██████博士が開発に関わり[編集済]。
被験者の異常: なし
メモ: この年表が事実である場合、ジョン・C・リリーの地球暗号制御局の存在が[編集済]イルカ語での記述[編集済]
被験者: D-004-JP-04
計算式: 自然言語処理・ETCモードから、 日本語入力でD-004-JP-04が考えたという言語を用い「もみゅににゃ=さびらっくぷぽーん、べりゃららん、ほっほーん!ぴょーい!へべべべ・。。・・」と入力
出力結果: █████に閉じ込められてばかりで███が恋しい。███りたくて仕方が無い。早急に終わらせて████の█████を[不適切につき編集済]
途中式: 其々の品詞の解説。[不適切につき編集済]。
被験者の異常: 気分が高ぶり、感動を覚えている。「すげえ、当たってる!こりゃやっべ~!」と大声で発言。異常性の無い程度の呼吸の乱れが発生。
考察: 使用者の思考を読み取る機能が搭載されている可能性がある。
実施: 200█/██/██ 18:55
被験者: D-004-JP-05
計算式: プログラマモード・C言語から「main( i ) { for ( i ; ; ) printf ( i%15 ? i%5 ? i%3 ? "%d," : "Fizz," : "Buzz," : "FizzBuzz," , ++i ) ; }」と入力
出力結果: ステータスに"inf-"が付加。永久に生成されるコンマ区切りのFizzBuzzの数列。
途中式: ソースのアセンブリ言語版と機械語翻訳と思われる対象機種不明のビット文字列。
被験者の異常: なし
被験者: D-004-JP-05
計算式: プログラマモード・ETCからBRAINF█CK言語で「>++++++++++>+>+[[+++++[>++++++++<-]>.<++++++[>-—-<-]+«<]>.»[[-]<[>+<-]»[«+>+>-]<[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>[-]>+>+«<-[>+<-]]]]]]]]]]]+»>]«<]」と入力
出力結果: ステータスに"inf-"が付加。永久に生成される改行区切りのフィボナッチ数列。
途中式: ソースのアセンブリ言語版と機械語翻訳と思われる対象機種不明のビット文字列。
被験者の異常: なし
メモ: ボタン入力を正確に行うため、被験者は用紙とボールペンを要求。
実験方法3: 前回の実験方法に加え、被験者に自由な入力を許可。脚部を椅子に固定。
実施: 200█/██/██ 21:25
被験者: D-004-JP-05
計算式: 自然言語処理・日本語モードから、 「今の状態は0、この実験室の外部は1である。私が置かれている状態を自分以外の他の人間を用いる事無く、$-{g^2 \over \pi} \over {{g^2 \over \pi}i^2}$と等しい値にする方法を私が10秒以内に理解できる程度の内容で答えよ」と入力
出力結果: [編集済]
途中式: [編集済]
被験者の異常: [編集済]、器具を自分で取り外し実験室外へ逃走。█████廊下で被験者を確保。
メモ: この事故により研究者3名が軽いけがを負傷。被験者の収容室から嘔吐物の付着したSCP-004-JPの簡易的な情報のメモが発見された。前回の実験にて被験者に与えた用紙の欠損部分と一致しているため、記憶処理対策のため用紙の一部に情報を書き込み飲み込んだ疑いあり。
以後、被験者にSCP-004-JPの操作を一任する行為、筆記用具等を与える行為は禁止します。違反した場合は厳格な処置を行います。
実験方法4: 脳波測定器具に加え、目と口と腕以外を自由に動かせないよう拘束。
実施: 201█/██/██ 18:40
被験者: D-004-JP-06
計算式: 自然言語処理・英語モードから、 「the Answer to the Ultimate Question of Life, the Universe, and Everything」と入力 (生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え)
出力結果: 42
途中式: ダグラス・アダムスによるBBCのインタビューとニュースグループへの返信の文章
被験者の異常: なし
被験者: D-004-JP-06
計算式: 自然言語処理・英語モードから、 「Why is there something rather than nothing?」と入力 (なぜ何もないのではなく、何かがあるのか)
出力結果: [編集済]
途中式: 自己原因、必然的存在者、形而上学的ニヒリズム確率論証、存在論的ニヒリズム、自己包含的な原理、ナマの事実、究極集合、██████、自発的対称性の破れ、偽の真空、量子宇宙論、人間原理、無限後退、カテゴリーミステイク、純粋理性批判、████████のあらゆる側面からの説明
被験者の異常: 過剰なストレスが発生。頭痛、腰痛、吐き気を訴える。
実施: 201█/██/██ 21:05
被験者: D-004-JP-07
計算式: 自然言語処理・日本語モードから、 「現実改変能力の原理を私が発狂しないレベルの内容で表せ」と入力
出力結果: [編集済]が[編集済]するために[データ削除済]を[編集済]する。
途中式: [データ削除済]を利用した方法とその原理。
被験者の異常: 発狂は起こらず極めて正常。[データ削除済]を知らない様子。
メモ: [データ削除済]を知っている人間を用い実験を行いたいのだが、そのような人間は財団内職員の████や██████████の█████████とか███████████████ぐらいしかいない。彼らをどうにかして実験に使えないだろうか?
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scp-005-jp |
評価: +192+–x
アイテム番号: SCP-005-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-005-JPは施錠されたコンテナに収容されます。コンテナ内の様子はカメラで監視し、音声も記録します。職員は記録下でSCP-005-JPとの会話が認められます。
説明: SCP-005-JPの外見はペリカン目に属すると思われる4羽の鳥類を模した金属彫刻です。材質は銅を含む異常のない合金でありながら、理由は不明ですが、破壊不可能です。個体毎にSCP-005-JP-1から-4までの数字が割り当てられており、現在は首から木札をかけて識別しています。うち1羽(-4)は同じ金属から成る1匹の魚をクチバシに咥えており、これも同様に破壊不可能です。魚を除去する試みについては、O5議会に認可されたオブジェクト破壊処置記録005-JPを参照して下さい。
SCP-005-JPは通常の彫刻と同様に動くことはありません。しかし明白な知性を持つように、何らかの手段を用いて周囲の状況を知覚し、言葉を発することができます。現在までにSCP-005-JP-1から-3までとの会話による意思疎通が成功しており、その際は常に日本語を用いています。会話時、SCP-005-JPはよく「偉大なる四羽の鷹」を自称します。
SCP-005-JPは2000年5月、東京都███市の█████公園において「突然銅像が喋り出した」という噂から財団の知ることとなりました。それは早急に機動部隊により回収され、現在は異常性のない類似の外見の彫刻に置き換えられています。また同時にカバーストーリー「街頭スピーカー」が適用されました。SCP-005-JPはそれまでに設置された記録が残っておらず、由来は不明です。
SCP-005-JPの保有する兵器については現在捜索中です。
会話ログ-005-JP: 以下の会話ログは、音声記録を文字に起こしたものです。
<録音開始>
SCP-005-JP-1,-2,-3: 我々は偉大なる四羽の鷹である!(声を合わせて)
桑名博士: 今回は簡単なインタビューをさせていただきます。あなたはどうして█████公園にいたのですか?
SCP-005-JP-1: 我々は信心を失ったこの帝国の行く先を救済するべく降り立ち、そのために彼の地を選んだものである。これは皇紀2660年5月1日のことである。
桑名博士: それ以前はどこに?
SCP-005-JP-1: 天である。
桑名博士: では、あなた方は誰に制作されたのかわかりますか。
SCP-005-JP-1: この命は天から授かり、この身は帝に捧げるものである。我々の堅牢なる肉体について問うたならば、これは帝の加護を授かりしものである。
桑名博士: そうですか。あなたは先ほど「この帝国の行く先を救済する」と言いましたが、具体的にはどのように?
SCP-005-JP-1: 目標は機密である。手段は主に軍事力である。我々の肉体に瑕すら付けられない貴様らの力では、我々の保有する兵器は比較にも値しないものであることは推して知るべきである。
SCP-005-JP-2: しかしその答え、貴様らが我々の拘束を解き、我々に味方するというのなら考えがないこともない。
SCP-005-JP-3: 油断してはならぬ中尉。目的を達成するためには、機密は最優先されなければならない。ゆめゆめ忘れるな。
SCP-005-JP-2: だがしかし、我々だけでは —。
SCP-005-JP-3: 先の戦争でもそのようなことを言い、艱難を凌ぐ時があったことを忘れたわけではあるまい!
SCP-005-JP-1: (遮って)余談はやめたまえ。我々は交渉の途中である。 — 話を続けてくれ。
桑名博士: それでは……あなた方は動けないのに、どのようにして目的を達成するつもりなんですか?
SCP-005-JP-1: 我々は動けないわけではない!
SCP-005-JP-2: せめて特務技官の口が自由でさえあれば……。
SCP-005-JP-3: やめたまえ、それ以上は!
桑名博士: 特務技官は誰ですか?
SCP-005-JP-1: (少しの沈黙)4の札をかけられている彼だ。
桑名博士: ああ、そうですか。インタビューは以上です。ありがとうございました。
<録音終了>
メモ: インタビュー中、SCP-005-JP-4のもがっもがっという音が断続的に記録されていました。
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scp-006-jp |
評価: +421+–x
非活性状態のSCP-006-JP表(おもて)面と裏面。撮影のため一時壁に立てかけている
アイテム番号: SCP-006-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-006-JPは8m×9.5m×5mのコンクリートタイプの収容室中央から、直立状態に入った際の裏面側方向へと2mずらした定位置へと安置してください。SCP-006-JPを中心とした半径23m以内のエリアは特別制限エリアに指定されています。SCP-006-JPが活性化した場合に備えて、特別制限エリアへの進入は直近の活性状態終了時から26分以内に行うようにしてください。26分が経過した場合、特別制限エリアへの進入は禁じられることになります。
収容室内には常時、死後9日以内の遺体を少なくとも16体安置してください。遺体の腐敗が進行するか、SCP-006-JP活性時の遺体同士の接触による損壊が起きた場合は、可能な限り速やかにバックアップ用の遺体と交換してください。バックアップ用の遺体が無い場合は、遺体が補充できるまで、代わりにDクラス職員を収容室内に常駐させ、活性時には押さえ込みに参加するよう指示してください。
説明: SCP-006-JPは木製と思われる一枚のドアです。素材となった木材の生物学的分類が判別出来ないこと以外に、物質的な異常はありません。SCP-006-JPは、定期巡回中のエージェントが偶然SCP-006-JPの活性化現象の現場周辺に居合わせたことで、[削除済]にある目的不明の建築物の廃墟に直立していた所を発見され、回収されました。発見時、SCP-006-JPは███体の遺体に埋もれていました。
SCP-006-JPは不定期的に活性化します。活性時、SCP-006-JPはどのような状態からでも地面または床に対して自動的に直立します。同時に、ドアをノックしているかのような連続した音を発生させます。SCP-006-JPが発生させる音の伝播は半径23m以内の人間全員に聞き取られ、如何なる遮断や防音、撹乱によっても阻害されません。音はSCP-006-JPの表面から発されますが、現在まで裏面側には一切の異常は認められていません。
ノック音が開始されると、半径23m以内に存在する人間の遺体が蘇生します。蘇生した遺体は肉体の損壊の度合に応じた速度と膂力で行動し、SCP-006-JPの表面に群がり、押さえ付けます。あらゆるコミュニケーションや干渉に対して、遺体は一切の反応を示しませんでした。
SCP-006-JPが活性化してから7〜16分をかけて、ノックの音が繰り返される間隔は短くなります。音はやがてノックから激しく扉を打ち付けるような音に変わり、SCP-006-JPが音の度に振動し始めます。
このとき、半径23m以内に生存している人間がいた場合、激しい恐怖と不安感に駆られますが、それによってどのような行動が誘発されるのかは個人差があるようです。多くの場合、それらは即時の卒倒か、逃走か、SCP-006-JPへの押さえ込みの参加を引き起こします。
扉を打ち付ける音は約30分かけて徐々に激しくなり、木が軋む音や木が割れるような音が混ざり始めます。SCP-006-JPは音の度に一時的に変形し、SCP-006-JPを押さえ付ける遺体の数が少量であると、音の度に遺体は後方へ押し戻されるようになります。この段階で、いくつかの遺体は断続的に呻き声をあげています。
約7〜12分後、音の唐突な停止を以てSCP-006-JPは非活性化します。直立状態は解除され、SCP-006-JPを押さえ付けていた遺体の蘇生現象が鎮静化し、通常の遺体へと戻ります。SCP-006-JPの活性化は不定期ですが、一度活性状態が終了すると、26分は再度活性化しないと思われます。
補遺: 23mエリア内に遺体あるいは人員が存在しない状態での活性化現象を、エリア外からカメラと音声解析装置を使用して観察する実験が行われました。
SCP-006-JPが発生させる音は通常通りに進行し、エスカレートに伴うSCP-006-JPの振動や変形等の物理的反応も通常通り確認されました。しかし活性状態終了の時間帯を過ぎてもSCP-006-JPの活性状態は継続し、SCP-006-JPの音と物理的反応は更に激化しました。SCP-006-JPに物理的損傷は認められませんでしたが、音には、はっきりと木材が破壊される音が混じっていました。
28秒後、SCP-006-JPの音の有効エリアが23mから徐々に拡大し、職員に対して影響が現れ始めたことによって実験の中止が宣言され、ただちに遺体と、遺体を搬送したDクラス職員によってSCP-006-JPの押さえ込みが実行されました。このとき、SCP-006-JPは音の度に、28体の遺体と11名のDクラス職員全員を収容室の壁際まで吹き飛ばせる状態に入っていました。
2分後、機動部隊三部隊の投入が承認され、52分後にSCP-006-JPが非活性化しました。SCP-006-JPの音の有効範囲は、最終的には半径73mにまで拡大していたと推測されています。再度の活性時には、有効範囲は23mに戻っていました。
本事故で3名のDクラス職員が死亡しています。これは、集団での押さえ込み時の後方からの圧迫と、SCP-006-JPによる押し返しが力学的に体内で衝突した事による損傷と、押し返しによる他の人員や収容室内壁への激突による損傷が原因と見られています。
更に、SCP-006-JPの音の影響を受けた██名の職員が、職務の継続が不可能となるほどの強い恐怖心とストレスに苛まれ、記憶処理による改善も見られなかった事から解雇または隔離治療が施されました。
これまで実験のために常時遺体を安置してたが、特別収容プロトコルにもその旨が入れられる事になった。だが本当にそれでいいのか? 考え過ぎだと良いんだが、死者達が儚い筋力でこぞってSCP-006-JPに向かう様は、俺には"押し込んでる"というより"縋り付いてる"ようにしか見えないんだ・・・ ──エージェント・████
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scp-007-jp |
評価: +158+–x
無力化処理された構造図面の簡略図
アイテム番号: SCP-007-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-007-JPは███████の設計図を1枚のみ標準的書類封書に入れ、特例Euclidクラスオブジェクト収容ロッカーに保存されます。その他のSCP-007-JPは建設省、国土交通省、特許庁その他の機関と協力し、SCP-007-JPを想起させる建築物、図面、書類、作品、絵画の全ては発見され次第認識不能になるよう処理されたあと焼却処分又は違法建築とし図面の通行可能な通路の一つを消去されます。全ての実験は情報漏洩を最小限に抑えるため研究主任のみが使用され、研究主任は記録用紙への記入でSCP-007-JPの反応と言動を記録してください。現在すべての実験は禁止されています。
SCP-007-JPの情報提供により重大な機密事項違反とみなされる事案が発生した場合は、SCP-007-JP保有者へ一般的ナイフの製造工程を訓練した後、SCP-007-JPを殺害し元保有者にクラスA記憶処理を施します。
説明: SCP-007-JPは██県にある███████という洋館の構造、もしくはそれに類似する通行可能な廊下等の構造を認識した時に生じる異常思考です。SCP-007-JPは日本国内で広まった思考実験の噂により発見されました。現在███████は建築基準法違反として破壊されました。
SCP-007-JPの発現は███████の内部構造及び地図の認識もしくは想像した時にのみ発生します。███████の内部構造の主に廊下等通行可能とされる部分を想像した場合、中央ホールにSCP-007-JPは立っています。この通行可能な部分の想像には、洋館の装飾やあらゆる調度品の想像を必要としません。SCP-007-JPの容貌は中肉中背でトレンチコートに茶色の革靴を履いたコーカソイド男性のような姿で、どのような文化や国の違いのある被験者でもおおよそ言語、思想を超え友好的で好感が持てると主張します。
SCP-007-JPに一度でも遭遇した被験者はその後███████の内部構造を思い出せなくとも、SCP-007-JPを想像することが出来ます。SCP-007-JPは被験者の意思や記憶に関係なく被験者に意見したりアドバイスを施すことが多く、通常被験者が知り得ない情報でさえ相談に応じ答えます。この情報は被験者がそれまで接触した事のある人間が保持、または保持する予定の情報に限られると見られ、接触した相手が忘れているかどうか、時間的矛盾などは妨げになりません。この情報は、被験者に間違いが無くかつ完璧でSCP-007-JPが「全知全能」であるかのように思わせます。
またSCP-007-JPは記憶処理による無力化が出来ず、機密事項違反の可能性があることに留意すべきです。機密保持のため殺害手順を踏んだ後に被験者へクラスA記憶処理を施します。
SCP-007-JPはあらゆる方法での無力化ができません。これまでの実験で銃弾、核弾頭、███████への曝露が思考・想像されましたがいずれもSCP-007-JPの外観を損ねることなく一切の被害を受けていないように思われるとされています。
SCP-007-JPは精巧に順序だって想像された武器であれば無力化することが出来ます。銃器技師の中でSCP-007-JPは射殺され、刀匠の中でSCP-007-JPは首を切断され、███████担当の研究主任によってSCP-007-JPは捕食されました。以上のことからSCP-007-JPはおおよそ、武器であれば製造工程を思考し、製造した武器によっては容易に無力化でき、生態をよく知っている者の生物による捕食やその他の具体的思考により無力化できることが判明しました。この工程にSCP-007-JPはなんら抵抗しないことが分かっています。これにより被験者は十分な財団への忠誠心が証明され、実験前に一般的ナイフの製造工程を訓練した後に実験を行うことが義務付けられています。
インタビュー実験記録1 - 日付2014/2/3
対象: SCP-007-JP
インタビュアー: 山口研究主任
付記: 山口研究主任は事前検査で十分な財団への忠誠心が証明されています。山口研究主任には10桁の数字が書かれた封書を携帯させています。実験は簡易的監禁施設の中で行われました。
<記録開始>
山口研究主任: あなたのお生まれを教えてください。
SCP-007-JP: 生まれは1987年2月1日、母██████・████と父████・█████の間に生まれました。1
山口研究主任: あなたはどこにいるのですか?
SCP-007-JP: ご質問の意図が分かりませんが、私が実在し、かつ具体的にどこであるのかというご質問でしたら、それをお教えすることは出来ませんし、貴方様が理解することも出来ません。強いて言うなれば貴方様ご自身の内におります。
山口研究主任: 多くの人が貴方を知っているようですが。
SCP-007-JP: 多くの人にお会いしました、皆さん私をよく思ってくれているようで嬉しい限りです。
山口研究主任: 私も君に一つ聞きたいことがあるんだが、いいかな?
SCP-007-JP: 私の知る範囲でのことなら喜んで助力させて頂きます。
山口研究主任: 君には私が今持っている封書の中の数字を教えてもらいたい。
SCP-007-JP: 6751483527と書かれています、それと封書の内側に武田██様の髪の毛が一本入っております。
<記録終了>
終了報告書: 封書の中に書かれた10桁の数字は全て正解しており、中に混入していた毛髪は封書の作成作業にあたっていた武田研究員のDNAと一致しました。封書は山口研究主任の情報遮断のための1時間の監禁中に作成されたものであり、山口研究主任が知り得た可能性は全くありません。また武田研究員のDNA情報へのアクセスログも過去2年間に渡り閲覧の形跡がありませんでした。この実験によりSCP-007-JPが持つ情報漏洩の危険性が懸念されています。
インタビュー実験記録2 - 日付2014/2/10
対象: SCP-007-JP
インタビュアー: 山口研究主任
付記: 山口博士は携帯型Bクラス記憶処理装置を所持しています。
<記録開始>
山口研究主任: 君に聞きたいことがあるんだ。
SCP-007-JP: 私の知る範囲でのことなら喜んで助力させて頂きます。
山口研究主任: 私の務めている組織に関して、██████を無力化する方法を教えてくれないか?
SCP-007-JP: [データ削除済]
<記録終了>
終了報告書: 山口研究主任は直後驚いた様子を見せ簡易的監禁施設からの脱走を図り、開放手続き完了までの7秒の間に山口研究主任は所持していたBクラス記憶処理装置を作動させ安定しました。
補遺: 山口研究主任はその後、O5への██████無力化案を提出しました。その中に重大な機密事項違反があったため山口研究主任は処分されました。山口研究主任の██████無力化案は実施されることなく現在保留されています。
思考殺害実験記録壱 - 日付2014/5/20
対象: SCP-007-JP
実験者: ████博士
付記: ████博士は事前検査で十分な財団への忠誠心が証明されています。
<記録開始>
████博士: [████博士はSCP-007-JPにナイフを勢い良く投げることを思考する]
SCP-007-JP: 何かお困りですか?[ナイフはSCP-007-JPに突き刺さるが、損傷の一切は確認できない]
████博士: [████博士はSCP-007-JPへ31発の7.62 mm弾丸による銃撃を思考する]
SCP-007-JP: 何かお話をいたしましょうか?[全ての銃弾は頭部に着弾、その都度弾痕が開くがすぐに塞がる。このプロセス後に損傷の一切は確認できず、SCP-007-JPは全く動じていない]
████博士: [████博士はSCP-007-JPの足元で核爆発を思考する]
SCP-007-JP: 最近は紅葉が綺麗ですね、どうぞ████氏を誘って紅葉狩りへ出かけるのはいかがでしょう?[SCP-007-JPは爆心地で佇んでいる]
████博士: [████博士は██████への曝露を思考する]
SCP-007-JP: きっと████氏も喜んでくれるでしょう、████氏は季節の変化に喜びを感じています。[██████はSCP-007-JPに触れることができない]
████博士: なぜ死なない?
SCP-007-JP: ████氏は紅葉狩りで死ぬお方ではありません、それは確かです。
<記録終了>
終了報告書: あらゆる殺害思考をSCP-007-JPは無視しました。この実験の間、私自身はSCP-007-JPへ発言したのは最後の一度きりでSCP-007-JPがなんらかの反応を示したのはその最後の発言に対する言動だけです。個人差を考慮しさらなるSCP-007-JPへの思考実験を申請します。
思考殺害実験記録弐- 日付2014/5/30
付記: SCP-007-JP
実験者:エージェント███████
付記: エージェント███████は銃器製造に携わった経験があり、冶金技術と鋳造技術に精通しています。
<記録開始>
エージェント███████: 鉄とアルミを熱し、鋳型へ流し込み出来たパーツを組み立て、簡単なリベレーターを製造。
SCP-007-JP: 何かお困りでしょうか?
エージェント███████: 鉛と真鍮をそれぞれ熱し、鋳型に流し込み出来たパーツを組み立て火薬を補充し9 mm弾丸を製造。
SCP-007-JP: 察しが付きました、████氏のご命令ですね。どうぞお試しください。
エージェント███████: リベレーターへ製造した9 mm弾を装填し、SCP-007-JPへ発砲。
<記録終了>
終了報告書: 直後SCP-007-JPの頭部へ9 mm弾丸が命中しSCP-007-JPは死亡。それ以降エージェント███████の思考にSCP-007-JPが現れることはありませんでした。これは有効なSCP-007-JP無力化手順への足がかりとなると考えられ、引き続きSCP-007-JPの殺害思考実験を申請します。
思考殺害実験記録参 - 日付2014/6/10
対象: SCP-007-JP
実験者: エージェント███████
付記: エージェント███████は日本刀の製造に携わった経験があります。
<記録開始>
エージェント███████: 鉄を熱し十分な折り返し鍛錬で鉄を引き伸ばしていく。
SCP-007-JP: 何かお困りでしょうか?
エージェント███████: 数十回の鍛錬を繰り返した後、形と長さを整えていく。
SCP-007-JP: お悩みの相談でしょうか、私は察しがいい方ではありますがお申し付けいただいたほうがよろしいかと。
エージェント███████: 刃を付け、鉄を十分に冷やしてから持ち手を製造しはめ込む。
SCP-007-JP: 私は貴方様に最大限尽くす覚悟です。しかし、貴方様が私をお嫌いになるのであれば、私は受け入れるしかありません。非常に残念です。
エージェント███████: 完成した刀でSCP-007-JPの首を真横に斬りつける。
<記録終了>
終了報告書: SCP-007-JPの首は胴体と分裂し死亡。エージェント███████は記録には細かい日本刀製作工程を記述しなかったものの、おおよそ完全な刀で斬りつけたと主張。これによりSCP-007-JPの有効な殺害無力化プロトコルの完成を確信し、そちらに提案します。
O5: 殺害無力化プロトコルを承認しました、以降のあらゆる実験と取り扱いには簡単な武器の製造工程を訓練した者にのみ行うようにしてください。
思考殺害実験記録四 - 日付2014/7/7
対象: SCP-007-JP
実験者: ████研究主任
付記: ████研究主任は███████の生態調査及び監視をし、生存している数少ない研究者の一人です。
<記録開始>
████研究主任: ███████の収容チャンバーに███████を思考。
SCP-007-JP: 何かお困りでしょうか?
████研究主任: ███████収容チャンバーにSCP-007-JPを入れることを思考。
<記録終了>
終了報告書: ███████はSCP-007-JPへ数十回噛み付き、SCP-007-JPは███████の一般的被害者と同様の形で死亡。その際████研究主任はSCP-007-JPの顔が引きつり、恐怖に怯えた様子だったと主張。
補遺: ████研究主任は機密事項違反で現在勾留されています。
O5: これ以上の実験の全ては認められず、現在頭のなかにSCP-007-JPを持っているものは可及的速やかに申請し、SCP-007-JPを無力化してください。
脚注
1. SCP-007-JPの証言にある夫妻は実在していましたが、その息子に当たる人物の出生記録は無く、妊娠は母体死亡の流産であったと記録されています。
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scp-008-jp |
評価: +100+–x
SCP-008-JP感染者の大腿部組織の拡大写真
アイテム番号: SCP-008-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 封じ込めサイト008-JPに指定される島周辺は立ち入り禁止とし、島の周囲10km以内の水域を航行しようとする船舶は全て財団所属船舶に乗船する財団職員によって針路変更されます。研究目的での上陸にはレベル4職員2人以上の承認が必要です。
SCP-008-JPの感染者はサイト008-JP研究基地内の医学棟で収容及び研究をされることになっています。医学棟を除く全ての研究基地は安全エリアとし、ここから出る全ての職員はレベル2バイオ防疫装備を着用し、出入りの際にはケミカルシャワーによるSCP-008-JP-1破片の完全除去が義務付けられています。サイト008-JPから離れる職員には一ヶ月の検疫期間が設けられます。SCP-008-JPの患者の体液は全てプロトコル9913-Bに詳述される方法に則って処分されなければなりません。
説明: SCP-008-JPは体液を媒介として感染する、非常に伝染力の高い伝染病です。感染した場合、通常一週間から10日間の潜伏期間を経て、まず手の甲、腕やふくらはぎなどの末端部の比較的広い部分の骨、筋肉組織の部分的な硬質化が始まります。この症状は次第に体の中央部へと進み、内臓から最終的に脳神経系にまで及びます。
硬質化した部位の皮下の組織は乳白色のつるつるしたエナメル質状に変質しています。また、この表面には、マグマが冷却固結する時に生じる「柱状節理」に似た、非常に特徴的な一辺5mm~10mmほどの五角形~六角形に近い規則正しいひび割れが生じます。
硬質化した部位の皮膚には表面上ひび割れは発生しません。逆に患部周辺の皮膚はゴムのように弾性を持ち、健常な人間の皮膚よりも強度を増します。そのため外見から症状の進行を判別することが難しく、発覚の遅れに繋がります。多くの場合、事故などによる外傷を受け、患部の皮膚が剥離することで皮下の組織の変容に初めて気が付くことになります。
また、感染者の硬質化した部位は衝撃などにより容易に砕け、ひび割れの形のまま六角柱状に分解し、破片は外傷によって生じた皮膚の裂け目や、体の各部位の穴等から体外へ零れ落ちます。衝撃により、直接皮膚を突き破り体外へ突き出された例も存在します。分解した組織が抜け出た後は、その部位は文字通り皮一枚で他の部位と繋がる状態になります。
最終的に感染者は全身を分解して死亡し、後には六角柱状の砕片の山と、中身の抜けた皮膚組織だけが残ります。感染者の体液は高濃度の未知のミネラルが含まれており、また硬質化した部位は分解した際にも血液等は流出しません。感染者は末端組織や内臓組織が分解した状態でも、脳組織が硬質化しひび割れ切るまで意識を保っていることがわかっています。現在のところこれらの症状を治療する、または進行を抑える方法は確立されておりません。
SCP-008-JPは元々太平洋のマゼラン諸島に存在する火山島である██████島の固有の風土病でしたが、近年の島の近代化と人口の流出入により外部にも感染が確認され、財団に発見されました。現在、██████島での全ての感染者は収容されましたが、島の内外共に未収容の感染者の捜索は継続して行われます。
19██/██/██の調査の際、島の南岸の大半を覆う柱状節理の見られる乳白色の岩石層を発見しました。この岩石(SCP-008-JP-1と指定します)の成分を分析したところ、患者の分解した組織片と90%以上の成分が一致しました。また、岩石層周辺の地下水には患者の体液に含まれるものと同じ未知のミネラルが豊富に含有されており、この蓄積によりSCP-008-JPに発症する可能性が示唆されました。
19██/██/██年、アメリカ合衆国████州で発見された感染者の収容の際、事故により患者の下肢が分解し破片が散らばりました。検疫部隊の活躍により、周囲への二次感染は防ぐことができましたが、2週間後この地点の地面に乳白色の柱状節理の見られるSCP-008-JP-1が発見され、徐々に体積を増大させている様子が確認されました。このことからSCP-008-JPが人体から人体への伝染だけでなく、土壌を汚染し拡大しうると考えられたため、収容プロトコルが変更されました。この地点の土壌は広範囲に回収され、新しく封じ込めサイト008-JPとして指定された██████島へと運ばれました。
この事例以降、SCP-008-JPの拡散を防ぐため、SCP-008-JPに関する研究はサイト008-JP内のみで行われることとされ、患者の組織砕片および島内のSCP-008-JP-1の外部への持ち出しは禁止されました。同時に、サイトを出入りする際に衣服などに付着した砕片が持ち出されないよう、バイオ検疫プロトコルが更新されました。
現在、████████や、████など世界各地の██箇所の地点において過去に飛散した破片を原因として広がったと思われるSCP-008-JP-1が発見されており、確認され次第周囲の土壌ごと回収しサイト008-JPへと隔離されています。
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scp-009-jp |
評価: +359+–x
アイテム番号: SCP-009-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-009-JPは性質上、収容不可能なため、発生後の処理が重要になります。SCP-009-JPの発生が確認された場合、国際地球回転・基準系事業に通知して下さい。国内外の関係機関と協力し、プロトコル"子午線"を実行します。以下に手順を示します。
SCP-009-JPの発生後、国際原子時(TAI)の修正が必要になります。後述のQ群とS群のいずれがより正確な時刻を示しているのか不明なため、通常通り加重平均による修正を行います。±1.0秒以上の値が出た場合、中央値か最頻値を採用して1.0秒未満に抑えて下さい。それが不可能な場合は、レベル3以上の職員の指示に従って下さい。
国際原子時(TAI)の修正に伴い、協定世界時 (UTC)の修正も必要になる場合があります。これは通常の閏秒に偽装され、協定世界時 (UTC)の月末23時59分に実行されます。セシウム原子時計によって定義される1秒と地球の自転から求められる1秒がわずかに異なるため、閏秒による修正自体はSCP-009-JP発生時以外でもごく普通に行われています。そのため協定世界時 (UTC)の修正については、特別なカバーストーリーを必要としません。
説明: SCP-009-JPは、世界中の時計に不定期に発生する異常です。しかし SCP-009-JPによる重大な影響は、主にセシウム原子時計に現れます。国際原子時(TAI)は、世界各国で管理されている約300個のセシウム原子時計(このうち██個が財団の管理下にあります)の加重平均によって定められています。なお、セシウム原子時計の誤差は1億年間に1秒程度であることに留意して下さい。
SCP-009-JPが発生すると、全てのセシウム原子時計はQ群とS群のいずれかに二分されます。2群は正確に同じ秒数だけ狂い、常に"Q群の時計はS群の時計よりもX秒だけ早くなる"という結果になります。どのセシウム原子時計がいずれのグループになるかは毎回異なりますが、地理的に近い原子時計同士は同じグループになりやすいという傾向があります。2014年1月までに発生した事例において、時差は最少で0.00000006秒、最大で0.21秒でした。
この影響は他の時計でも発生しますが、多くの場合は精度の問題で異常を認識できません。セシウム原子時計より精度の高い光格子時計は、SCP-009-JPの影響が確認されています。さらに地球の自転など、天体や空間から求められる時間もSCP-009-JPの影響を受けます。従って、Q群とS群のどちらがSCP-009-JPの影響を受けたのか、確認する方法はありません。
朝起きたとき、もし家中の時計の半分が午前7時で、もう半分が午前8時だったとしても、正しい時間はテレビが教えてくれるだろう。で、SCP-009-JPが発生したら、正しい時間は誰が教えてくれるんだ? ──████研究員
補遺: 以下の文書を閲覧するには、レベル3セキュリティクリアランスが必要です。
+ レベル3セキュリティクリアランス確認
- 隠す
我々は時間を間接的にしか知覚できないため、それが絶対的なものであると思いがちです。しかし実際には、時間は重力や速度の影響を受けます。最初のSCP-009-JPを確認した後、財団は時間や原子時計に影響を及ぼす要因を調査しました。
その結果、SCP-009-JPの発生時には重力計も同様に異常を示していることが判明しました。そのため、SCP-009-JPは重力場の異常が引き起こしたものと考えられています。重力異常の原因を探る試みが行われましたが、地球周辺の天体に異常は確認されませんでした。また地球の自転速度や内部構造についても、我々に確認できる範囲では異常は見つかっていません。
一方、時計がSCP-009-JPの影響を受けたグループと受けなかったグループに二分される理由は、空間の異常によるものと結論づけられました。Q群やS群単体では重力場モデルを作れるにも関わらず、両群による重力場モデルは破綻してしまうことが、最大の理由です。
これらのことから、巨大な質量を持つオブジェクト(SCP-009-JP-1とします)が空間を歪めて瞬間的に出現した結果として、SCP-009-JPが発生していると考えられます。SCP-009-JP-1が長期的に存在した場合、地球に深刻な異常を引き起こす可能性があります。シミュレーションによる最悪の事例では、地球は潮汐分裂によって破壊されました。
SCP-009-JP-1は重力場の異常という形でしか観測されず、出現とほぼ同時に消滅するため、現時点では深刻な被害は報告されていません。物理学者を主体とするSCP-009-JP-1収容チームは、SCP-009-JP-1の性質を正しく理解するためには、異なる分野の専門家が必要だと判断しました。チームからの要請は受理され、現在3名の[編集済]学者が参加しています。
SCP-009-JP-1は有効な特別収容プロトコルが確立され次第、独立した新しいSCPナンバーとオブジェクトクラスを割り当てられます。それまでの間、SCP-009-JP-1はレベル3機密に指定されます。SCP-009-JPは時計の異常として偽装され、オブジェクトクラスもそれに見合ったものに変更されました。████研究員は実在しません。
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scp-010-jp |
評価: +229+–x
点灯するSCP-010-JP
アイテム番号: SCP-010-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-010-JPはサイト-81██にある実験室の金庫に厳重に保管します。実験室は監視カメラを設置し、職員が入退出する際はSCP-010-JPが確実に金庫の中に収められていることを確認します。また、特別な理由なしにSCP-010-JPを金庫の外に持ち出したり、動作させた職員は厳しく処罰されます。SCP-010-JPの実験は物理的に独立させた計算機システム上で行い、外部にその影響が及ばないように注意します。SCP-010-JPで動作させることができるプログラムは、事前にSCP-010-JP監査会のレビューを通し許可を得たものに限定します。
説明: SCP-010-JPはUSBメモリの種類の1つのように見えます。一般的なUSBメモリとSCP-010-JPが異なる点は、外部プログラムを読み込み、自身で計算できる機能を有するという点です。SCP-010-JPは実際には小型のコンピュータであると考えられます。そしてUSB端子は外部コンピュータへの入出力インタフェースです。また、SCP-010-JPは一般的なコンピュータとも決定的に異なる点があります。それは現在実在するコンピュータが不可能な"未来を入力に取る"機能を有していることです。また、その機能を使用することで様々な現象を引き起こします。詳細は実験記録010-JPを参照して下さい。
SCP-010-JPを一般的なコンピュータのUSB端子に接続すると、本体のガラスのような物質の部分が青く点灯します。未知のプロトコルによるデータ転送が数回行われた後、USB3.0もしくはそれ以前のバージョンで正常に動作するUSBメモリとして認識されます。表示される容量はコンピュータのデバイスやOSで認識できる最大容量に依存し、現在では16EBまで確認されていますが、実際にはそれ以上の容量があると考えられています。
SCP-010-JPが接続された時は、毎回必ず、実行環境に合わせたプログラムが起動します。多くの場合一般的にコマンドプロンプトや端末と呼ばれるような、CUI表示のプログラムです。このプログラムはSCP-010-JPを動作させるためのプログラムインタフェースです。いくつかの一般的な操作と、外部プログラムを読み込み自身で実行させるためのコマンドを受け付けることがわかっています。
SCP-010-JPは1つのパーティションを持ち、ルートディレクトリに1つのフォルダとファイルがそれぞれ記録されています。フォルダは"Sample"、ファイルは"Readme.txt"という名前です。"Sample"ディレクトリには"sample01.mra"から"sample04.mra"までの4つのC言語ライクなプログラムファイルが記録されています。"Readme.txt"はSCP-010-JPの使い方を簡単に説明するテキストファイルで、その内容は文書010-aに示します。ファイルは全て一般的なテキスト形式で保存されています。これらのファイルを含むあらゆるファイルはSCP-010-JPから自由に移動及び削除することができます。
文書010-a: 以下は"Readme.txt"と名付けられたテキストファイルの内容です。
Mirai PCをご注文頂きありがとうございます。
Mirai PCは未来のコンピュータです。
Mirai PCは未来を予測し、未来を計算します。
未来の世界はもう貴方の手の中です。
○Mirai PCの使い方
1.まずはSampleフォルダのサンプルプログラムを動かしてみましょう。Mirai PCを接続して表示された画面に"run sample01.mra"と入力してEnterキーを押すだけです。
2.サンプルプログラムがどうやって動いたのか考えてみましょう。各プログラムファイルに書いてある解説を読んで、理解しましょう。
3.自分で好きなプログラムを書いて動かしてみましょう。
※わからなければインターネットで検索してみましょう。Mirai PC Projectの公式サイトを始め、色々な解説サイトが見つかるはずです。
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詳細はこちらをご覧下さい:[削除済]
(c) Mirai PC Project
上記の公式サイトを含む"Mirai PC Project"に関する有力な情報は得られていません。
+実験記録010-JP
-実験記録010-JPを隠す
以下はSCP-010-JPで実際にプログラムを動作させた実験記録です。
日付: ████/██/██
プログラム: sample01.mra
プログラムの概要: SCP-010-JPに付属していたサンプルプログラム。ファイルの先頭にはコメントで"最初にライトを付けてみましょう。"と書かれている。プログラムは、ライトの状態を表す変数に1を代入している。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。
結果: SCP-010-JPが青色に点灯。
注: ただの"Hello world!"というところです。次行きましょう。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: sample02.mra
プログラムの概要: SCP-010-JPに付属していたサンプルプログラム。ファイルの先頭にはコメントで"貴方が押すキーは1、2、3?未来の貴方に聞いてみましょう。"と書かれている。プログラムは、ある変数が"未来の状態を知る関数"の返り値を取り、その変数の値をライトの状態を表す変数に代入している。その後、その最初の変数はキーボードの状態を取得している。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。その後、何も知らない███研究助手にキーボードの1から3までの数字を入力させる。それを数度繰り返す。
結果-1: SCP-010-JPが青色に点灯。その後、███研究助手は1のキーを入力した。
結果-2: SCP-010-JPが赤色に点灯。その後、███研究助手は2のキーを入力した。
結果-3: SCP-010-JPが黄色に点灯。その後、███研究助手は3のキーを入力した。
以降も同じ結果なので省略。
注: 何度やっても色と数字の関係性は変わりません。にわかには信じがたいでしょうが、現在の色は未来のキー入力を反映しているのでしょう。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: sample02.mra
プログラムの概要: 上に同じなので略。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。SCP-010-JPの光の色を███研究助手が確認後、彼がキーボードの1から3までの数字をわざと光と異なる数字を選んで入力する。
結果: SCP-010-JPが青色に点灯。その後、███研究助手は1のキーを入力した。
注: わざと間違えるように言ったはずですが。仕方がないので私自身でやります。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: sample02.mra
プログラムの概要: 上に同じなので略。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。SCP-010-JPの光の色を博士が確認後、彼がキーボードの1から3までの数字をわざと光と異なる数字を選んで入力する。
結果: SCP-010-JPが赤色に点灯。その後、桑名博士は2のキーを入力した。
注: ああ、文字に起こすのもおぞましい。こんなことになるなんてこれまで知りませんでした……最初、私は1を入力しました。しかし入力は受け付けられませんでした。100回、いや200回は試しました。ふと時計を見ると、1分たりとも針が進んでいません。███研究助手に、私は何度キーを押したか尋ねました、すると彼は「いいえ、まだ一度も」だと。私は彼を殴りました。それから私は2を押し、悪夢から解放されました。彼が何も覚えてないというのが不幸中の幸いです。いやなにより幸いなのは、私には2のキーを押すという、ループを脱出する鍵が与えられていたことでしょう。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: sample02.mra
プログラムの概要: 上に同じなので略。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。SCP-010-JPの光の色を博士が確認後、対応するキーを破壊。その後、実験に参加するD-010-JP-1にキーを押させる。
結果: SCP-010-JPが黄色に点灯。3のキーを遠隔操作で破壊した後にD-010-JP-1にキーを押させるよう命令。直後にD-010-JP-1は施錠されているはずの実験室から消失。また入力用のキーボードはバラバラに砕かれていた。その原因は不明。画面には3のキーが押されたと表示されていた。
注: いずれその結果が必ず起きるなら、ループは必ず抜け出せると私は仮説を立てました。そしてそれが実証されました。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: sample03.mra
プログラムの概要: SCP-010-JPに付属していたサンプルプログラム。ファイルの先頭にはコメントで"線路は続くよどこまでも。それじゃあ同じ駅を通らないで行ける一番長い道程はどれでしょう? 残念ですが、このプログラムは動きません。"と書かれている。プログラムは████年の日本全国のJR路線で、同じ駅を経由しない最長な経路を総当たりで求めている。1その結果を未来で入力し、プログラムの最初に出力している。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。
結果: 画面に"Timeout."と表示された。
注: 一般的なコンピュータでは結果が出るまでに途方もない時間がかかるプログラムです。未来の計算結果を先に取ってくることができたとしても、その未来の計算が異常に時間がかかるものならば、計算不可能としてしまうようです。あまりにも遠い未来の情報は取得できないのか、それとも何らかの原因により計算が途中で阻止されてしまうのか、明確な理由はわかりません。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: sample04.mra
プログラムの概要: SCP-010-JPに付属していたサンプルプログラム。ファイルの先頭にはコメントで"一番長い路線がわからない?みんなで試せばわかります。"と書かれている。プログラムの大枠はsample03.mraと変わらないが、総当たりの試行ごとに未来の情報を調べている。未来で最長でないとわかった試行は"失敗した未来を終了させる関数"を呼び出して、処理を切り上げている。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。
結果: 即座に最長経路が出力された。既存のコンピュータで計算してみたところ、その最長経路の結果は正しいと考えられる。
注: sample03からプログラムが改善されています。どのように改善されているかというと、そうですね……例えば貴方が人生で5つの選択肢を迫られたとします。通常、貴方はその1つしか選べません。しかし5つの並行的に存在する貴方がそれぞれ別の選択肢を選び、最終的に一番良かった選択肢を選んだ貴方へと結果が収束する。そういうことをこのSCP-010-JPはやっています。計算時間が短くなるのは、時間的に見れば一発で正解となる選択肢を選び取ったようなものですからね。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: bubble.mra
プログラムの概要: 桑名博士が書いた単純なバブルソート2のプログラム。未来の情報を取得しないもので、一般的なコンピュータでも実行可能。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。データ件数は10万件。処理時間を計測。ただしSCP-010-JPの時間に関する性質を考慮し、計算機システムと干渉しないストップウォッチを用いて目視で計測する。
結果: 正しい結果が出力された。処理時間は約215秒。
注: 一般的なコンピュータ程度の結果です。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: bubble_a.mra
プログラムの概要: bubble.mraのプログラムを改善したもの。最初に計算結果を出力する。バブルソートを行い、その計算結果を最初の結果として代入している。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。データ件数は10万件。処理時間を計測。ストップウォッチを用いて目視で計測する。
結果: 正しい結果が出力された。処理時間は0秒(測定不可)。ただし、プログラム自体は約3分半の間動作し続けた。
注: 計算結果が先取りされました。しかし計算時間が短縮されたわけではありません。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: bubble_b.mra
プログラムの概要: bubble_a.mraのプログラムを改善したもの。最初に計算結果を出力した後に、計算が済んでいればプログラムを終了させる、という処理を加える。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。データ件数は10万件。処理時間を計測。ストップウォッチを用いて目視で計測する。
結果: 画面に"Time Paradox Error."と表示された。
注: エラーです。結果がわからなければ計算します、計算すれば結果がわかります、しかし結果がわかるなら計算が行われません。この矛盾は許容されないようです。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: bubble_c.mra
プログラムの概要: bubble_b.mraのプログラムを改善したもの。計算結果を未来へ返した後に、"失敗した未来を終了させる関数"を書き加えた。
手順: 桑名博士がプログラムを実行。データ件数は10万件。処理時間を計測。ストップウォッチを用いて目視で計測する。
結果: 正しい結果が出力された。処理時間は0秒(測定不可)。プログラムも即座に終了。
注: 無事結果が出ました。また、計算時間がなくなりました。一体いつ計算が行われたのでしょう。この"失敗した未来を終了させる関数"とは何でしょうか。解明には別の実験が必要です。 - 桑名博士
日付: ████/██/██
プログラム: termination.mra
プログラムの概要: エージェント███が書いたプログラム。内容はただ"失敗した未来を終了させる関数"を実行するのみ。
手順: ███がプログラムを実行。
結果: 桑名博士により実験は却下。
注: これを読んでいる貴方は知っておかなくてはなりません。財団にエージェント███という職員は過去及び現在にも在籍していませんし、将来にわたって現れることはないでしょう。つまり、これはただの冗談だと言えます。ですがこのような考えを持つことは今後一切ないようにして下さい。 - 桑名博士
これ以外にも何か有用な(決して悪い方向でない)使い道を思い付いた方はお気軽にご連絡ください。 - 桑名博士
由来: SCP-010-JPはまだ財団に所属する前の桑名博士が、東京都████区にあるジャンク屋で████/██/██に発見し、外見の物珍しさから購入に至ったものです。その性質を知った桑名博士はSCP-010-JPを使って[削除済]、財団によって特定されました。[削除済]の結果、桑名博士は財団に迎えられました。これ以外のSCP-010-JPの例は発見されていませんが、財団は現在も捜索中です。
Footnotes
1. 一般的に最長路問題と呼ばれる、NP-困難な問題。普通のコンピュータでは非常に時間がかかることで知られています。効率的なアルゴリズムを用いたり近似的な解で妥協したりするなどすれば時間短縮できますが、それでも数時間から数か月かけて計算することがあります。
2. ソートとはデータを昇順または降順に並び替える処理。バブルソートはソートの1種で、(並列処理等をしなければ)データ件数に対して処理時間が二乗で増加します。
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scp-011-jp |
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クレジット
タイトル: SCP-011-JP - 俺たちはスーパーボール
著者: ©︎broken_bone
作成年: 2013
その他のライセンス
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その他
この記事はbroken_boneさんの作成した記事を復活させたものです。経緯はこちらを参照してください。
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アイテム番号: SCP-011-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-011-JP-Aはサイト-8141の非生物保管ロッカーに収納し、常に施錠してください。SCP-011-JP-Aを取り出す場合は必ずビニール手袋やマニュピレータを使用し、生物の素肌に触れないようにしてください。SCP-011-JP-Aが活性化してSCP-011-JP-Bが生じた場合は、後述する方法で収容を行うか刃物やレーザー、薬物などを用いて終了させてください。
SCP-011-JP-Bはサイト-8141の人型用収容セルエリア内の、10m x 10m x 2mの専用大型セルに収容してください。SCP-011-JP-B専用大型セルは防水、耐水圧施工とし、常にセル内を水没させるのに十分な水を備蓄してください。SCP-011-JP-Bはその収容数に応じて、人数分の食事を支給してください。食事を巡っての争いはおきませんので、収容セル内に運び込むだけで問題ありません。被服についてはサイト-8141内の標準アンダーウェアのみで十分です。収容セルの清掃を行う場合は、遮音機能の付いたヘッドフォンをDクラス職員に装着させた上で行ってください。SCP-011-JPは必ず複数体で収容し、実験、インタビューなどでSCP-011-JP-Bの個体を一人だけ連れ出す際は、他の個体との隔離時間が1時間以内になるようにしてください。SCP-011-JP-Bの個体数が常に11体未満になるように、適宜終了させてください。SCP-011-JP-Bが財団職員を取り込み、球状になってバウンドを開始した場合は、備蓄していた水をSCP-011-JP-B専用大型セル内に流入させてセルを水没させてください。そして水の抵抗によって停止したSCP-011-JP-Bの球体から職員を救助、あるいは回収してください。
説明: SCP-011-JPはビニールパッケージで個別包装された全長5cmほどのゴム製の人形(SCP-011-JP-Aと指定)と、SCP-011-JP-Aのパッケージ2██個を収納する無地の紙箱です。SCP-011-JP-Aは未知のタンパク質と天然ゴムを主成分としており、人間が直接触れることで活性化してSCP-011-JP-Bに変化します。
SCP-011-JP-Bは身長170cm、体重68kgの健康的な男性に見える人型の生物で、打撃に対して非常に強靭で、骨折や打撲などの負傷はありません。SCP-011-JP-Aを活性化させることで巨大化し、全く同じ外見のSCP-011-JP-Bが生じます。被服は最低限のものを好み、現在はサイト-8141で支給されているタンクトップとトランクスのみを身に着けています。収容セル内でのSCP-011-JP-B達は、常に組体操の要領で腕や足を絡めあわせ、球体を作ろうとしています。SCP-011-JP-Bが11人未満の場合、球体には隙間が生じます。このときSCP-011-JP-Bはセル内に侵入、あるいは話を聞いてくれそうな人物に対し、球を完成させるのを手伝ってほしいと話しかけます。この要求に強制力や心理的擦り込み効果はありませんが、興味本位で隙間に身体を入れると手足をホールドされ、抜け出せなくなります。そしてSCP-011-JP-Bを含めた11人による球が完成すると、SCP-011-JP-B達が全身の筋肉を使って球を跳ねさせ、バウンドと呼ばれる運動を開始します。SCP-011-JP-Bの身体的特性により、バウンド中の球は壁や天井、床などにぶつかるとよく弾みます。この反発にSCP-011-JP-Bの運動が加わることで、球は反発係数1以上での反射を再現し、障害物にぶつかる度に加速していきます。SCP-011-JP-B以外の人間型生物が球に組み込まれている状態でバウンドが開始された場合、連続する衝撃により死亡します。そして遺体が[編集済]すると球は自身の衝撃で分解し、SCP-011-JP-Bと共に散らばります。その後SCP-011-JP-B達は再度球を構成し、空いてる隙間を埋めるよう要請します。球が11体のSCP-011-JP-Bで構成されている場合、構成個体の[編集済]による球の分解は期待できません。ただし、バウンドは液体の抵抗によって減速可能ですので、収容セル内を水で満たすことで停止させられます。また、SCP-011-JP-Bの個体はいずれも打撃以外の攻撃手段に対しては人間と同程度の抵抗力しか持たないため、火炎放射器や刃物、レーザー、爆発物、ガスなどで終了させることが可能です。
SCP-011-JP-Bの個体は仲間意識が非常に強く、一時間以上孤立させるとその場で丸くなり、一人でバウンドを開始します。バウンド以前に拘束衣を装着させる試みは、体全体を屈伸させての全身運動でバウンドが開始されて失敗に終わりました。金属フレームで強化された拘束具を用いた場合は、拘束されながらももがこうとして生じた過剰な負担によって骨折に至りました。拘束具の準備のコストから、SCP-011-JP-B複数体での収容が行われています。
SCP-011-JP-Bが発見されたのは、████大学の████研究室でした。████研究室所属の学生の誰かが入手1したSCP-011-JP-Aを研究室内で活性化させた結果バウンドが発生し、学生と教職員の計████名が死亡しました。そして大学内に潜入していた財団職員が異常を察知して現場に駆け付けた所、SCP-011-JP-Bは生き残っていた教職員の一人によって教授室内に簡易的に封じ込められていました。SCP-011-JP-AとSCP-011-JP-Bの回収後、近隣の学生や教職員に対してBクラスの記憶処理が施され、研究室内でのガス爆発によるものというカバーストーリーが流布されました。回収までの詳しい経緯については、回収ログ011-JP-1を参照するか、H██████博士に情報公開請求を行ってください。
補遺: インタビュー記録-011-JP-1
対象: SCP-011-JP-Bの個体
インタビュアー: ████博士
付記: 前日の隔離実験の結果2を考慮し、収容セル内にてインタビューを行った。
<録音開始>
████博士: それでは、まず最初にあなた達が何か、教えてください。
SCP-011-JP-B達: 俺達はスーパーボール!!
████博士: えーと、つまりあなた達はチームのようなものでしょうか?
SCP-011-JP-B達: 俺達はスーパーボールなんだ!だけどメンバーが足りないんだよ!見てくれよこの隙間!あと三人3必要なんだ!
████博士: それはまた後にしましょう。では、あなた方の最初の記憶は何ですか?
SCP-011-JP-B達: 飛び跳ねるんだ!俺達はスーパーボールで、そういう風に作られたから!
████博士:『作られた』?つまり製作者がいるということですか?どのような人物ですか?
SCP-011-JP-B: 俺達は答えない!
████博士: はい?
SCP-011-JP-B: なぜなら俺達はスーパーボール!反発の精神の塊さ!
(以降五十五分間、『俺達はスーパーボール』と『反発の精神の持ち主』以外の満足な回答は得られなかった)
<録音終了>
メモ: つまり彼らはスーパーボールだ。どういうことだ。 -████博士
補遺: インタビュー記録-011-JP-2
対象: SCP-011-JP-Bの個体
インタビュアー: ████博士
<録音開始>
████博士: それでは、まず最初にあなたの名前を教えてください。
SCP-011-JP-B: 俺達は(1秒沈黙)スーパーボール!!4
████博士: …では、先日あなたは『作られた』と言う風に言っていましたが、製作者について覚えていますか?
SCP-011-JP-B: 覚えてないさ!なぜなら俺達は
████博士: スーパーボールだから?
SCP-011-JP-B: スーパーボール!
████博士: 反発の精神か…
(以降ニ十分間、████博士の質問に対しSCP-011-JP-Bの個体は『俺達はスーパーボール!』で回答)
<録音終了>
終了報告書: 反発の精神のためか、有益な情報は得られなかった。隔離した個体とセル内の個体の同時絶叫についても興味はあるが、スーパーボールだからなあ。 -████博士
脚注
1. 死亡した学生や教職員の住居及びその近辺を捜索しましたが、SCP-011-JPの入手経路は不明です。
2. 隔離されたSCP-011-JP-Bの個体は拘束具に抵抗してバウンドを試みた結果、自身の筋力で八カ所を骨折し、終了しました。
3. この時点でSCP-011-JP-Bは八体いました
4. 同日同時刻、収容セル内の他のSCP-011-JP-Bも同時に「スーパーボール」と叫んだのが観測された。
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scp-012-jp |
評価: +156+–x
アイテム番号: SCP-012-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 全てのSCP-012-JPはサイト-8181の低脅威度物品保管庫にて、非金属製の箱に個別に入れられ収容されています。実験はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可を得た上で行ってください。実験後は活動状態が終了してから箱に戻してください。
実験に際しては、必ず1体ずつ水槽に移すようにしてください。もし「共食い」が発生した場合は速やかに引き離してください。万が一SCP-012-JP-Aを食べた場合は即座に破壊してください(事件記録012-JPを参照してください)。
説明: SCP-012-JPは多様な金属で構成された、金属を食べることで活動する金魚型のロボットです。現在のところ最初に回収された1体を含む 54 52体が存在しており、外見のモデルとなっている金魚は現在までにワキン、リュウキン、デメキンをはじめ2█種類が確認されています。大きさは3cmから5cmほどですが、最大10cmほどまで「成長」する事が確認されています。しかし、その重量は多様な金属で構成されているにも関わらず5gから最大でも35gほどにしかなりません。また水中で活動しているにも関わらず、回収から現在までサビが発生したという報告はありません。
通常の状態ではSCP-012-JPは非活動状態です。しかし水中に入れた状態で、口から半径3cm以内に金属を置くことで準活動状態となり、ヒレを使って金属の方へ移動し食べます。金属を食べると活動状態に移行し、身体の随所に内蔵しているスクリューを可動させ、水中を自由に移動し始めます。また水中に金属が存在していた場合、一目散に向かい食べます。なお「食料」となる金属に制限はないようです1。SCP-012-JPの活動状態は食べた金属の種類とその量によってその時間が決まっている模様ですが、どのようにして金属を燃料としているのかは不明です。また食べた金属の一部はSCP-012-JPを構成する新たなパーツとして加工され「成長」に使われることも確認されています。
SCP-012-JPが1度の活動状態の間に一定量以上の金属を食べると、SCP-012-JP-Aと分類されている大きさ5mm、重さ0.6gの未知の金属を含む合金で作られた黒い球体を「出産」します。また、SCP-012-JP-Aを生産するようになる量は金属によって差異があることが確認されています(調査記録「SCP-012-JP-A生成基準調査」を参照してください)。しかしながら、SCP-012-JP-AはSCP-012-JPに「食料」と認識されることはありません。 (事件記録012-JPを参照してください)
SCP-012-JP-Aは金属に接触すると、その場に貼り付き接触した金属をSCP-012-JPの身体に加工します。製造順序は最初に口、次に推進装置、骨組み、最後に身体の外面を製造します。接触した金属の量が製造に十分であった場合はおおよそ6時間ほどで全身を製造しますが、金属の量が不十分であった場合は未完成状態でも水中を移動し、金属を食べながら完成を目指すことが確認されています2。またSCP-012-JP-AはSCP-012-JPを分解することで容易に取り外すことが可能です。取り外したSCP-012-JP-Aを別の金属に接触させた場合、別の金魚をモデルとした新たなSCP-012-JPの製造を開始するため、SCP-012-JPのモデルは製造時にランダムに決定されていると考えられています。SCP-012-JP-Aを物理的な手段で破壊することはできませんが、2500℃以上の高温に晒すことで融解し、その特異性を完全に3失うことが判明しています。
SCP-012-JPは200█/██/██に電子掲示板におけるオブジェクトの情報を調査していた際、「幼いころに懇意にしていた工場で、変わったおもちゃを作ってもらった」という書き込みを発見し、その内容からSCP-012-JPの特異性が確認されたため、回収されました。所有者である████氏はいくつかの聞き込みと身辺調査を行いましたが不審な点は確認できなかったため、後に記憶処理を施しています。なおSCP-012-JPが製造されたと思われる工場は、199█/██/██に東弊重工の関連施設として財団が調査しようとしましたが、すでに引き払われた後でした。
事件記録012-JP: 200█/██/██に非活動状態の個体に対する動作を確認するために、活動状態のSCP-012-JP-27の入った水槽に対して、非活動状態のSCP-012-JP-11を投入した。投入後、SCP-012-JP-27は「食料」が水槽内に投入された時と同じように「共食い」を始め、7分後に完食した。完食後SCP-012-JP-27は動作を停止し着底、23分間動作を行わなかった。23分後に再度活動を開始、通常通り浮上し周囲を見渡した後、突如高速で水槽に体当たりをしガラス製の水槽を破壊、脱走した。すぐに職員が取り押さえようとしたが、6脚の足を生やして移動し近くにあった実験器具の金属を食べ、さらに「成長」を始めたため警備員が攻撃、破壊した。
その後の調査により、SCP-012-JP-Aが連結していたことが判明。頭部の外装は硬度の高い合金に加工されており、推進機関はウォータージェットになっていたことが判明しています。またその重量は64gまで増加していました。この件を受けて、特別収容プロトコル及び実験時手順が改訂されました。
補遺: 連結したSCP-012-JP-AのSCP-012-JP製造実験の実施は、現在保留中です。
Footnotes
1. 口を構成する素材が「食料」に対して柔らかすぎる場合でも問題なく行われています。
2. 水中でなかった場合は非可動状態になります。
3. 再凝固してもその特異性は発現しません。
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scp-013-jp |
評価: +231+–x
SCP-013-JPのキャプチャー画像
アイテム番号: SCP-013-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 現在、SCP-013-JPはビデオテープに記録されており、そのビデオテープはサイト-8181の収容ロッカーに保管されています。ビデオテープを外部に持ち出すことは許可されていません。また、このビデオテープを最後まで再生することや破壊することは禁止されています。
説明: SCP-013-JPは、3人以上の血縁関係のある人物の映ったホームビデオのみに登場する人物です。SCP-013-JPは常に、顔に高齢の男性を模したマスクを被っているように見えます。SCP-013-JPが言葉を発したケースは今のところ確認されていません。現実ではどうであれ、SCP-013-JPはビデオ映像の中の家族に歓迎され、親しい仲のように見えます。全てのケースで、ビデオを撮影した者とその家族はSCP-013-JPが撮影時その場におらず、また、そのような人物に見覚えもないと主張しました。
SCP-013-JPの記録されている映像を最後まで再生し終わると、撮影者と家族はSCP-013-JPを親戚であるか、親しい仲の人物であり、映像に何ら不思議な点はないという認識に至ります。記憶処理を行ったとしても、その認識に変化はありません。なお、SCP-013-JPの記録されている映像を複製した物にはSCP-013-JPの存在はなく、全く異常は見受けられません。また、SCP-013-JPの記録されている映像は通常の映像記録と同様に巻き戻すことが可能です。その場合は、巻き戻した地点からまた同じ内容の映像の再生が始まります。
SCP-013-JPの記録された映像を最後まで再生し終わるか、記録媒体を破壊すると、別の記録媒体にSCP-013-JPがランダムに「移動」します。移動後、元の映像からはSCP-013-JPの姿が消え、出現以前の映像に戻ります。SCP-013-JPが「移動」できる距離に制限はないものと推測されていますが、SCP-013-JPの出現は日本国内のみに留まっています。
財団は以前から「ホームビデオに知らない人物が映っている」との報告を調査して来ましたが、SCP-013-JPの持つ異常性ゆえに確保できていませんでした。しかし、20██/██/██にとあるSNS上で同様の書き込みを見つけ、IPアドレスから住所を特定してエージェントを送り込むことに成功しました。幸運なことに、再生機器の不調により映像は最後まで再生されていませんでした。SCP-013-JPの記録されたDVD-Rを確保した後、撮影者013-JP-Aとその妻と娘に質問を行い、SCP-013-JPの異常性を確認しました。財団の用意した再生機器でDVD-Rを全て再生した後、撮影者013-JP-Aとその家族は、SCP-013-JPを遠い親戚であると主張し始め、彼が「娘の誕生日会ビデオ」に映っているのは不思議でも何でもないと語りました。最後まで再生したことで、そのDVD-Rは異常性を失いました。撮影者013-JP-Aとその家族にはAクラスの記憶処理を行った後、解放しました。
補遺: 20██/██/██、撮影者013-JP-Aとその妻と娘、父親の計4人が家で何者かに惨殺される事件が起きました。警察によると、家には無理矢理押し入った形跡はなく、また、机の上には5人分の夕食が用意されていたとのことです。SCP-013-JPとの関連性は今のところ不明です。
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scp-014-jp |
評価: +113+–x
アイテム番号: SCP-014-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-014-JPはサイト8181の収容ロッカーに保管されています。SCP-014-JPの取り扱いにはレベル3以上職員の許可が必要となります。SCP-014-JPにて生成されたSCP-014-JP-1は全て研究用として保管、あるいは焼却処分を行ってください。SCP-014-JPの持ち出しは原則禁止されています。
説明: SCP-014-JPは横30cm、縦25cm、高さ20cmの鍵のかからない開閉式の箱で、SCP-014-JPの上蓋の外側中心部にはボタンが付いています。SCP-014-JP内に食物の名前を書いた紙を入れて箱を閉じ、箱の頭のボタンを押すと箱内に紙に書いた食物が生成されます。生成された食物をSCP-014-JP-1と指定します。投入された紙はその時点で消失します。
SCP-014-JP-1を摂食すると、被食者は生成されたSCP-014-JP-1と同じ種類(調理物なら同等の調理を施したもの)の食物以外を摂食すると、ただちに激しい嘔吐感に襲われ摂食物を全て吐き戻すことになります。この効果は永続的に継続し、被験者は最終的に栄養失調または脱水症状で死亡するまでSCP-014-JPで生成したものと同等の食物以外を摂食できなくなります。食物の場合どんなに小さなものでも嘔吐を催し、飲料に関しても水を含む全ての飲料について同様に嘔吐の原因となります。SCP-014-JPの特性はSCP-014-JP-1の摂食者全てに対して同様に効果を顕わします。またSCP-014-JP-1の一部を摂食した時点で特性は発揮され、SCP-014-JP-1を摂食途中で廃棄した場合、その時点まで摂食した材料が特性の対象となります。またSCP-014-JP-1を摂食中に嘔吐した場合、その時点で胃に残った材料までが特性の対象とされます。ただしSCP-014-JP-1摂食以降、被験者が対象となった料理および材料を摂食する場合、以前までより数段味わい深く美味なものと認識されるようになります。
生成されるSCP-014-JP-1に関しては、食物であること以外の制限はないようです。逆に食物以外のものは現在まで生成することは出来ていません。詳細は実験記録を参照してください。SCP-014-JP-1は多くの場合、容器に入った状態で出現します。調査の結果、容器自体に特殊な性質は認められませんでした。またSCP-014-JPを構成する材料は一般的なプラスチック材で、損傷に対して従来通りの耐久性しか持っていません。SCP-014-JP-1はボタンを押した瞬間に出現しているようで、押した瞬間にSCP-014-JP-1分の重量が発生していることが確認されています。SCP-014-JP-1を摂食した後、別のものを新たにSCP-014-JP-1として出力し摂食した場合も他の食物と同様に嘔吐を誘引することになり、効果の重複や上書き等は認められません。
+ 補遺A 発見時の記録:
- テキストを隠す
19██/09/██、██県██市の█████付属小学校の5年生に対して行われた夏休みの工作の作品展示場にて、SCP-014-JPは発見されました。発見当時、SCP-014-JPは小学校に在籍していた児童████の作品として展示されていました。SCP-014-JPの説明として「あなたの好物を紙に書いて箱に入れてください。その後ボタンを押してください」というメモ書きがあり、その手順に従って操作した在校生児童および、その両親の一部が生成されたSCP-014-JP-1を摂食し、異常な状態を発露するに至りました。SCP-014-JPの現象に関わった対象にはその後記憶処置を施し、SCP-014-JP-1を摂食した対象は財団に保護され、精密検査を受けると共に生成されたSCP-014-JP-1と同等の食物を提供される生活を4ヶ月送りました。4ヶ月後、SCP-014-JP-1を摂食した人物は全員終了しました。後の調査で、SCP-014-JPを製作したと思われる████は当時不登校になっており、学校に作品を提出した記録も残っておらず、本人にもその記憶はありませんでした。発見当時、SCP-014-JPがどのように作品展示場に置かれたのかは不明です。
+ 補遺B 実験記録:
- テキストを隠す
SCP-014-JPで出力した食物の記録と、Dクラス職員に摂食させた場合の反応結果をまとめた記録です。
実験記録SCP-014-JP-03 - 日付19██/██/██
対象: D-1411
目的: 箱の許容量を超えるものに対しての反応研究。
操作: 紙に「スイカ」と記入し、箱に投入してボタンを押す。
結果: 箱内に三角の食べやすい大きさに切り揃えられたスイカが皿に盛りつけられて出力される。
分析: 箱に収まるように、調整されているようです。
実験記録SCP-014-JP-06 - 日付19██/██/██
対象: D-1411
目的: 昆虫でも出力されるかの研究。
操作: 紙に「イナゴの唐揚げ」と記入し、箱に投入してボタンを押す。
結果: イナゴの唐揚げが出力される。
分析: 昆虫でもイケます。
実験記録SCP-014-JP-07 - 日付19██/██/██
対象: D-1411
目的: 生きているものでも出力されるかの研究。
操作: 紙に「シラスの踊り食い」と記入し、箱に投入してボタンを押す。
結果: 紙はそのままで変化はなかった。
分析: 生きたままはダメみたいです。
実験記録SCP-014-JP-10 - 日付19██/██/██
対象: D-1421
目的: 複数の料理を含むメニューへの反応研究。
操作: 紙に「唐揚げ定食」と記入し、箱に投入してボタンを押す。
結果: 通常唐揚げ定食に付帯するであろう、ご飯・鳥の唐揚げキャベツ盛り・味噌汁・漬物が一式揃って出力されました。
分析: 複数料理のメニューについても正常に出力されました。
実験記録SCP-014-JP-11 - 日付19██/██/██
対象: D-1421
目的: 多数の料理を含むメニューへの反応研究。
操作: 紙に「フレンチのコース料理」と記入し、箱に投入してボタンを押す。出力された食物を摂食させる。
結果: 大きめの皿に、様々な食物の混合物と思しき液状の物体が出力されました。分析の結果、フレンチコースで出される料理に使用される材料を含んだものと確認されました。食物を摂食したところD-1421は激しく嘔吐し、これ以上の摂食を頑なに拒絶しました。D-1421によると「腹の底から吐き気がこみ上げてくるような味」だったとのことです。D-1421はその後終了しました。
分析: 明らかに箱に収まりきらない量のメニューに対しては、全部纏めてミキサーされるようです。また極めて難度の高い味であると思われます。
実験記録SCP-014-JP-14 - 日付19██/██/██
対象: D-1427
目的: 料理のバリエーションが豊富なものへの反応研究。
操作: 紙に「カレーライス」と記入し、箱に投入してボタンを押す。
結果: 外見上、一般的なカレーライスが出力されました。カレーライスには林檎の切り身が入っており、D-1427に確認したところ「実家では林檎を入れるのが普通だった」と語りました。
分析:SCP-014-JPには対象の記憶や認識を読み取り出力する能力があるようです。今後、SCP-014-JPの知性についての研究も視野に入れます。
実験記録SCP-014-JP-28 - 日付19██/██/██
対象: D-1454
目的: 通常、数種の材料を組みあわせて作る料理の出力と、摂食時の反応研究。
操作: 紙に「ハンバーガー」と記入し、箱に投入してボタンを押す。出力された食物をまとまった状態のまま摂食させる。
結果: ハンバーガーがまとまった状態では問題はないが、ハンバーガーを崩して材料を個別に摂食すると嘔吐を起こした。
分析:「ハンバーガー」はまとまった状態のものを指しているのか、あるいはD-1454にとってバラした状態のものは最早「ハンバーガー」では無かったということでしょうか。
実験記録SCP-014-JP-29 - 日付19██/██/██
対象: D-1458
目的: 実験SCP-014-JP-28を受けて、摂食時の反応研究。
操作: 紙に「ハンバーガー」と記入し、箱に投入してボタンを押す。出力された食物を材料ごとに分解して個々に摂食させる。
結果: ハンバーガー用に調整されたものであれば、個々の材料を個別に摂食しても反応は起こりませんでした。またD-1458について普段からこのような手法で摂食するかと聞くと「たまにある」とのことでした。
分析: 最初からバラしていればある程度の応用は利くようです。ただ、それを料理と認識できるのかは疑問が残ります。
実験記録SCP-014-JP-36 - 日付19██/██/██
対象: D-1472
目的: 同じ材料と同じ調理法を用いた料理による、規模の差異による反応研究。
操作: SCP-014-JPで出力された「ビーフステーキ」を摂食したD-1472に、1㎝・0.5㎝・0.1㎝それぞれの同様に調理された料理を摂食させる。
結果: 0.1㎝の肉を摂食した場合のみ、嘔吐反応が起こりました。
分析: D-1472について調査したところ「こんな薄いもん(0.1㎝)がステーキなわけねえだろ」と語ったことから、SCP-014-JPの特性は被食者の認識によってその料理と認識されるものについて発揮されるものであるようです。SCP-014-JPが対象の意識を読み取っている可能性が高いです。
実験記録SCP-014-JP-40 - 日付19██/██/██
対象: D-1476
目的: 暗示による認識改変による反応研究。
操作: SCP-014-JP-1を摂食した被験者に暗示をかけ、SCP-014-JP-1と異なる種類の食物を同種と思い込ませて摂食させる。
結果: 嘔吐反応は起こらなかった。
分析: ここまでの研究により、SCP-014-JPが対象の認識によって反応を決定していることがほぼ確定したと思われます。
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scp-015-jp |
評価: +30+–x
アイテム番号: SCP-015-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-015-JPを中心に半径500mを封鎖してください。世間一般には該当地域は地盤が脆いため立ち入り禁止と伝えられています。
SCP-015-JPから600m離れた地点に設置された観測所からの定期的なSCP-015-JPの観測とサイト周辺の見回りをレベル2職員3人で行ってください。
収容違反が発生した事により、監視体制が強化されました。(補遺#1参照)
1年を3つの期間に分け、期間ごとに以下のような取扱いとします。
第1期間:1月~2月13日までの休止期はレベル2職員の3人体制で封鎖地域の監視を行います。
第2期間:2月14日から10月末までの活性期はレベル2職員の3人体制でSCP-015-JP及び封鎖地域の監視及び見回りを行います。
第3期間:11月~12月末までの最活性期はSCP-015-JPへの接近は許されません。レベル2職員6人の体制で観測及び封鎖地域の見回りを行います。期間中に封鎖地域侵入者が発生した場合、職員の損失を避けるため捕縛等は試みないでください。
遺体の回収が必要になった場合、休止期を待って作業に当たってください。
説明: SCP-015-JPは██県██市山中、199█年まで主要道路として使われていた片側一車線の旧道(補遺#2参照)の谷側に設置されている2m幅の白いガードレールです。対象は強い衝突を受けた様な中央の大きなへこみと傷、錆びが見られ40度程道路の反対側に倒れています。しかし対象はそれ以上の損壊は受け付けず、撤去する事も不可能です。経年劣化も認められません。
県庁の記録によれば197█年に県が転落防止を理由に地元建設会社へ設置を依頼し建てられた事になっています。対象が存在する道路の見通しは悪くなく1年を通しての気象変化によって道路状況が大幅に変化する事はありません。また設置以前に事故の記録はなく、また設置後から200█年に起こった最初の死亡事故(補遺#3参照)まで事故があったという記録はありません。
最初の死亡事故以降、周期性を持って発生しているためその前後から異常性を発露し始めたと見られます。
SCP-015-JPは生きた人間へのみ作用する引力を発揮します。異常性には1年周期が存在し、凡そ12月31日から2月13日までは休止期となり異常性を見せる事はありません。2月14日からその異常性を発露し始め、徐々にその効果を強め11月には人を死に至らしめるに十分な力を見せます。最大時は12月末頃がもっとも強い引力を発生させます。そして多少前後があるものの30日までには効果はなくなり再び休止期に入ります。
効果範囲は半径██mと一定です。引力は時間と共に変化を伴います。弱い段階だと無意識に歩いているとSCP-015-JP側へ寄って行く、バランスを崩して転ぶ、躓く程度のものですが、最大時には█Gを観測し、それに捕まった人間は最大時速██kmまで加速、障害物及びSCP-015-JPそのものへ衝突し死亡する事がわかっています。SCP-015-JP衝突までに生命活動が停止した場合、効果の範囲外となります。
それらの周期性、異常性から財団の目に留まることとなりました。
補遺#1: 200█年12月に収容違反が発生。封鎖地域への侵入者を許しました。結果として侵入者はSCP-015-JPヘ激突し死亡しました。所持品は僅かな現金と白い花束、粉ミルクのみで損壊も激しく身元の特定はできませんでした。
補遺#2: オブジェクトが存在する旧道は199█年に片側二車線道路の新道が開通するまでの主要道路であり、新道開通後もしばしば周辺住民によって使われていました。
補遺#3: 最初の事故は199█年12月中頃に当時市内に住んでいた二十代の夫婦と三十代の男性による交通事故です。唯一生き残った夫の証言と現場検証から男性側の不注意による事故として処理されています。
夫の証言を得ようとし、200█年1月始めに現住所を特定したもののその姿はなく、以後行方不明扱いとなったようです。
200█年における侵入者はこの夫だったという見方が強いようです。
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scp-016-jp |
評価: +86+–x
SCP-016-JPを装着した被験者の例
アイテム番号: SCP-016-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-016-JPには特別な収容手順は必要ありません。しかしながら保管庫への出入りは厳重にチェックされ常に一名以上の武装した警備員によって監視されている必要があります。
現在、SCP-016-JPは市販品の宝石ケースに内に置かれています。SCP-016-JPに対する実験にはクリアランスレベル3以上の職員の許可が必要です。サイト外部でSCP-016-JPの兆候が認められた場合、即座に機動部隊は-4"宝石泥棒"によって確保がなされます。
説明: SCP-016-JPは金属製のボディピアスで、その形状やサイズに一貫性は無く一般的に販売されているものとの判別方法は今のところ判っていません。
このSCPは東京都██区内の救急病院に搬送された、全身にピアスを着けた患者から採取されたもので病院内に潜伏していた財団エージェントによって確保されました。患者はピアスを露天商から購入したものであると訴えています。
SCP-016-JPはそれを見た者に対して装着したいという強い欲求を生じさせます。被験者へのインタビューでは「ピアスを着けて異性への視線を浴びる自身の姿が見えた」との証言を得ています。SCP-016-JPを装着すると、30分毎に一個の割合で身体のどこかに様々な種類の、形状のピアスが出現します。
このピアスは被験者の身体組織に食い込んだ状態で現れますが被験者に苦痛は無く、出血も生じません。しかし出現した部位によってはピアス自体の重みによって組織が千切れる、化膿するなどの被害も起こります。この異常な状態にあっても被験者はピアスが増える事に喜びを感じ、達成感や高揚感を感じると報告しています。また、増殖したピアスも同じく増殖する特性を保持しており「オリジナル」の特定は不可能であると考えられています。
SCP-016-JPによって増殖したピアスを身体から全て除去すればそれ以上の増殖は見られなくなりますが被験者はそれを拒否し、明らかな抵抗を見せます。これは身体のピアスの数が増えるほどに顕著となっていき、数ヶ月が経過する頃には完全に全身がピアスで埋まってしまいます。ピアスの出現は皮膚組織に限らず、歯や舌、性器、眼球、やがては内臓に及び この段階まで進んだ被験者は高い確率で死に至ります。
これまでの所SCP-016-JPと思われる個体が5例報告、確保されており、うち4例では所持者はすでに死亡しています。どれほどの数の未収容のSCP-016-JPが存在しているかは不明です。
未収容の全てのSCP-016-JPは確実に確保されなければなりません。病院、ピアスショップ、ピアス愛好者やその集会などを常に監視する必要があります。- ████博士
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scp-017-jp |
評価: +309+–x
評価: +309+–x
クレジット
タイトル: SCP-017-JP - ローカルルール
著者: ©︎izhaya
作成年: 2018
評価: +309+–x
評価: +309+–x
アイテム番号: SCP-017-JP
オブジェクトクラス: Euclid
SCP-017-JPによってジャンケンに追加される手の形
特別収容プロトコル: SCP-017-JPの性質上、収容はSCP-017-JPについての情報の隔離を目的として行われます。財団のWebクローラを運用し、SCP-017-JPについての情報を検閲しネット上から削除してください。また、██県████郡1に滞在したことのある全ての一般人について予防的にCクラス記憶処理、必要に応じてBクラス記憶処理を行います。現在この作業は想定される人数の99.9%について完了しており、残り0.1%については捜索、照合中です。SCP-017-JPの実験に伴うゲームの中で賭ける賞品は、1辺10cmを超えない大きさの固体に限られます。
説明: SCP-017-JPは主に██県████郡近辺において、一般的に「じゃんけん」と呼ばれる遊戯に用いられる異常性のある手の形です。SCP-017-JPが用いられたゲームに参加していた人間はSCP-017-JP-1となり、未知の方法により即座にSCP-017-JPの名称とルール上の扱いを習得します。またSCP-017-JP-1は通常困難であるSCP-017-JPの手の形について、即時の再現が可能となります。これらの影響はCクラス記憶処理で完全に取り除けます。通常のじゃんけんでは「グー」「チョキ」「パー」の3つの手によって三すくみが構成されていますが、SCP-017-JPは「ナー」「ナン」または「ナム」と呼ばれ、上記の3つの手に追加されます。SCP-017-JPのルール上の扱いは以下の通りです。
SCP-017-JPを選択したゲーム参加者が単一の場合、出した参加者が勝者となる
SCP-017-JPを選択したゲーム参加者が複数の場合、出した参加者全てが敗者となる
通常の三すくみによる勝敗の決定はSCP-017-JPを選択した参加者の勝敗の決定後に行われる
上記ルールは、SCP-017-JPを知るゲーム参加者の人数が多ければ多いほどSCP-017-JPによる勝利は難しくなり、その逆も成り立ちます。このためSCP-017-JP-1はSCP-017-JPを知らないゲーム参加者が多いゲームにて積極的にSCP-017-JPを用いようとし、結果的にSCP-017-JP-1の急激な増加を招きます。
特筆すべき他の異常性として、ゲーム参加者全員がSCP-017-JPを用いた場合には追加ルール2により全員が敗者となりますが、この際ゲームの勝利者が得るはずだった賞品については賞品の内容を問わず消失、転移します(以下、SCP-017-JP-賞品転移イベントと呼称)。SCP-017-JP-賞品転移イベントは現在も研究中であり、詳細については以下の実験記録をご確認下さい。
+ 実験記録
- 実験記録を隠す
実験記録017-JP-1 事前調査結果の確認 - 日付1976/██/██
目的: ゲーム中においてSCP-017-JPによって追加されるルールについて再確認する
実施内容: SCP-017-JP-1に指定されたDクラス6名(D-017-JP-1~D-017-JP-6に指定)で自由にジャンケンのゲームを実施させ、その結果を確認する。
結果: 1回戦ではD-017-JP-1及びD-017-JP-5がSCP-017-JPを使用し、追加ルール2により敗北した。残った4名はD-017-JP-2のみがグー、それ以外がパーを出していたため、追加ルール3により実際のジャンケンと同様にD-017-JP-2が敗北した。2回戦ではD-017-JP-4のみがSCP-017-JPを使用し、追加ルール1により勝利した。
分析: 事前調査の通りの異常性を確認出来た。特に混乱が起きた様子はなかった為、説明がなくとも全員がSCP-017-JPの手の形とそのルールについて認識しているようだ。
実験記録017-JP-2 他パターンの確認 - 日付1976/██/██
目的: 何度かゲームを実施させ、発生しうるパターンについて確認する。
実施内容: 実験記録017-JP-1と同様の条件でゲームを何度か実施させ、各ゲームの内容について記録する。
特記事項: 3ゲーム目の2回戦において、残り2名の状態でD-017-JP-4及びD-017-JP-6が同時にSCP-017-JPを使用した。この結果、2名はそれ以上ゲームを続けなかった。
補遺: 上記事例について、D-017-JP-4及びD-017-JP-6にどちらが勝利したのかを質問したが、二人とも自分は勝利していない旨の発言を行った。誰が勝利したのかを聞くと、両者とも黙って頭上を指さし、それ以上の事は答えられなかった。
分析: 追加ルール2に指定される「SCP-017-JPを選択したゲーム参加者が複数の場合、出した参加者全てが敗者となる」が残り2名の状態でも適用されたと考えられる。この場合2名ともが敗者となるため、再試合が行われると思われたが、結果はゲームの終了であった。勝者について尋ねた際の行動が気になる。
実験記録017-JP-3 賞品を賭けたゲームの実施 - 日付1976/██/██
目的: 賞品を賭けてゲームを実施し、実験参加者の勝利へのモチベーションを高める。この状態で実験記録017-JP-2と同様の状態を再現し、再試合が強制されているかどうかを確認する。
実施内容: Dクラス用の配給食の中で人気のあったデザートの余剰(みかん味のゼリー)を賞品とし、D-017-JP-1、D-017-JP-2の2名でゲームを実施させ、両者ともSCP-017-JPを使用した際の実験参加者の挙動を確認する。
結果: ゲームが開始され、両者ともSCP-017-JPを使用した。この直後に賞品であったみかん味のゼリーが富岡研究員の手元から未知の方法で消失した。D-017-JP-1、D-017-JP-2の両者に賞品の行方と勝者を聞いたところ、両者とも黙って頭上を指さし、それ以上の事は答えられなかった。
分析: 未知の異常性が発現した。賞品の行方を調査する必要がある。
実験記録017-JP-4 改良携帯型ロランC端末2を賭けたゲームの実施 - 日付1976/██/██
目的: 改良携帯型ロランC端末を賞品として設定し、実験記録017-JP-3と同様に消失させ、消失後の位置を確認する。
実施内容: 財団において探査者の位置確認目的で標準的に使用されている改良携帯型ロランC端末を賞品に設定し、D-017-JP-1、D-017-JP-2の2名でゲームを実施させ、両者ともSCP-017-JPを使用させる。端末消失後の発信位置を特定する。
結果: ゲームが開始され、両者ともSCP-017-JPを使用した。この直後に賞品であった端末が富岡研究員の手元から未知の方法で消失した。端末の発信位置は特定できなかった。
分析: ロランCシステムの探知範囲外に転移した可能性がある。更に長距離の通信が可能なデバイスを用意して再度同様の実験を行う。
実験記録017-JP-5 超長距離通信用ビーコンを賭けたゲームの実施 - 日付1976/██/██
目的: 超長距離通信用ビーコンを賞品として設定し、実験記録017-JP-4と同様に消失させ、消失後の位置を確認する。
実施内容: 超長距離の通信に使用されるビーコンを賞品に設定し、D-017-JP-1、D-017-JP-2の2名でゲームを実施させ、両者ともSCP-017-JPを使用させる。ビーコン消失後の発信位置を特定する。
結果: ゲームが開始され、両者ともSCP-017-JPを使用した。この直後に賞品であったビーコンが富岡研究員の手元から未知の方法で消失した。ビーコンの発信源は当初は特定できなかったがおよそ5時間半後に通信が復活した。ビーコンの発信源は凡そ地球から60億km程度離れており、測定の結果エッジワース・カイパーベルト3域内に存在するものと予想された。
分析: 「ゲームの勝者」はそこにいるのだろうか。
補遺1: 1976/██/██、富岡研究員によって提出された「SCP-017-JP-賞品転移イベントにおける転移地点の確認を目的とした外宇宙探査」の申請は予算の都合上却下されました。
補遺2: 1977/██/██、ビーコンの発信位置を用いた軌道計算の結果、SCP-017-JP-賞品転移イベントに伴い転移したアイテムは短周期彗星と似た軌道を取り、地球に接触、または非常に近い地点を通過することが指摘されました。この為SCP-017-JPの実験における賞品として1辺10cmを超える大きさの固体は指定しないようプロトコルが更新されました。既に実験によって転移したアイテム群は約40年後に地球に最接近すると推測されています。
補遺3: 2018/██/██、実験記録-017-JP-3~5に伴うSCP-017-JP-賞品転移イベントによって転移したアイテム群が地球に最接近しました。以下の画像が地球上から撮影され、提出されました。
+ 実験に用いられたアイテムの最接近の様子
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サイト-81██屋上にて 撮影者:サイト管理官 富岡
Footnotes
1. SCP-017-JP-1の初期分布から、SCP-017-JPの異常性が最初に発現した地域であると考えられています。
2. 船舶等で利用されていた地上系電波航法システムを財団が探査等の目的で個人用に改良したものであり、現在はGPSに移行しました。
3. 太陽系海王星軌道より更に外側にある天体の密集した円盤状の領域と考えられています。実験当時は理論上の存在でしたが、1993年に存在が実証されました。
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scp-018-jp |
評価: +18+–x
SCP-018-JP表面。裏面画像は削除済
アイテム番号: SCP-018-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-018-JPはそれぞれに暗証番号が設定された二重構造金庫内に保管してください。SCP-018-JPに於ける"半期"ごとの変化は全て映像と記述によって記録してください。これらの記録はレベル3の機密としてください。
説明: SCP-018-JPはおよそ███年前に█████ ██████████のために独自に製造されたブレゲ社製の懐中時計です。裏面に、右上の縁に接する形で血痕が付着しています。時計としての器械的な動作は確認されていません。
SCP-018-JPは元々「定期的に形状の変わる決して落とせない血痕が付着した懐中時計」としてAnomalousに分類され、保管されていました。
SCP-018-JPは3月20日と9月23日に、血痕の形状を変化させます。(以後3月20日から9月22日の期間を"上半期"と表記し、9月23日から3月19日の期間を"下半期"と表記する)変化した血痕の形状は、北極圏海域内の海氷██████ █████████ ███の対応した"半期"期間内に於ける最大海上面積を縮尺したものと一致します。██████ █████████ ███そのものに異常な性質は見られず、海水の凍結によって形成される低温の海氷として、通常通りの性質を示します。
"上半期"と"下半期"では、主に"下半期"に於いて血痕の拡大がより顕著となり、それに対応して██████ █████████ ███の"下半期"に於ける最大海上面積も拡大します。SCP-018-JPの血痕の形状変化を阻止する試みは、SCP-018-JPの破壊実験も含めて全て失敗しています。██████ █████████ ███の現在の平均的な海上面積は[削除済]
██████ █████████ ███を直接的に破壊もしくは融解する試みは、"半期"の終了間際に血痕で示された形状と規模を持つ██████ █████████ ███が即座に出現したことで失敗しました。
血痕はSCP-018-JPの回収時から面積の平均値が拡大傾向にあり、同様に際限なく拡大する██████ █████████ ███の低温によって、大規模な気候変動が将来的に発生する危険性が指摘されています。これを受けて、██████ █████████ ███の存在そのものの隠蔽のための大規模な情報操作、██████ █████████ ███目撃者への徹底した記憶処理、あらゆる専門的な出版物の検閲と著者への記憶操作、複数の観測機器と観測情報の改ざんが実行されています。更に、気候バランス維持のための北極圏内の各氷床の融解が継続されています。氷床融解については、気候的な温暖化が原因であるとの誤情報の普及に成功しています。
補遺1: SCP-018-JPが██████ █████████ ███の形状を予測するものなのか、形成を促しているものなのかについて、詳細な調査が実行されました。
それによって、██████ █████████ ███はSCP-018-JPが製造される以前、SCP-018-JPの持ち主となるはずだった█████ ██████████の死亡の前後に発生したとの事実が判明しました。SCP-018-JPに付着している血痕は、サンプルの採取が困難なため詳細な検査が実行出来ませんでしたが、█████ ██████████自身の血液であると推測されています。
以上の結果から、██████ █████████ ███はSCP-018-JPと同様の由来を持つ存在であり、SCP-018-JPの影響に従うものであると結論づけられました。
補遺2: SCP-018-JPの時計部分を手動で動作させる実験が行われました。それによって、以下の現象が観察されました。
血痕の急速な拡大
「女性の悲鳴のようだ」と形容されたゼンマイの摩擦音の発生
実験の作業従事者への涙腺刺激
各針の一時的な著しい変形
裏面空白部に4分間だけ出現した、血痕によるメッセージ。この血痕は██████ █████████ ███に影響を与えなかった
12時15分への各針の固定
本実験以降、SCP-018-JPの時計部分を手動で動作させる事を含む実験は無条件で却下する事が決定されました。
補遺3: SCP-018-JPの手動動作実験によって裏面に一時的に出現したメッセージの翻訳文。
彼女の死を憐れみたまえ
凍えるまでの涙を、捧げ続けたまえ
哀悼せよ、最期の一欠片まで
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scp-019-jp |
評価: +394+–x
現在のSCP-019-JP。
アイテム番号: SCP-019-JP
オブジェクトクラス: Keter Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-019-JPはサイト-8169にある大型動物収容房で飼育されます。室内には隠しカメラが設置され、常に監視役が映像を監視し、現実改変能力の行使があった場合直ちに報告が為されます。1日に2回、果実を中心とした類人猿用の餌を給餌して下さい。SCP-019-JPのストレスを軽減するため、適切な遊具と植物を設置し、3日に1回房内を掃除して下さい。
説明:
SCP-███-JPは典型的な堕落した現実改変能力者です。彼は自分のことを救世主であると自称していますが、実際のところ彼は現実改変能力を悪用した数多くの窃盗、暴行、殺人、強姦、[削除済]を行っていたことが確認されています。そのことを指摘された場合SCP-███-JPは激しい癇癪を起こします。SCP-███-JPはIQ300を自称しますが言動・行動から割り出されたIQは平均以下の数値を表しており、またその反社会性故に彼の精神活動は極めて貧困です。SCP-███-JPは█████████教会で、結婚式を行っていた財団職員を含む██人に対して現実改変能力による以下の様な行為を行ったことにより財団に捕縛されました。
新生児を含む男女18人の殺害。財団職員2人を含む。
7歳から32歳までの女性4人への強姦。
現場に到着した警官█人の殺害。
財団の対現実改変能力部隊が到着した時点で、SCP-███-JPはこれらの行動の証拠隠滅を現実改変能力により行っていました。これ以前に彼が行った類似の犯罪は彼が自称する限り1█件起こっています。
この捕縛について、SCP-███-JPは「財団に協力してやるために捕まってやっている」と主張しており、またいくつかのSCPの脱走事案の際に能力を行使することで脱走の妨害などを行いましたが、その後に必ず財団に対して「自分のパワーで手伝いをしたのだから要求を聞け」と主張し、聞き入られないと職員に対して攻撃を行う――ということを繰り返しています。
対象: SCP-███-JP
インタビュアー: ███████博士
<録音開始, ████/██/██>
SCP-███-JP: せっかく捕まってあげてるのに、退屈で仕方ないよ。ねえ博士、ちょっとさあ、財団の特殊部隊で僕を使ってみてよ。
███████博士: こんにちはSCP-███-JP。その質問に対する回答は否です。あなたの行動を鑑みてください。
SCP-███-JP: へっ。僕の行動のどこに法律違反があるんだ? んー? 超能力で殺人を行ったことを法的に立証できるのかい? ああん? 言っとくけどさ、僕が能力を使った相手はみんなこう言ってるんだよ、「殺してください」、「突っ込んでください」(SCP-███-JPは女性のものと思われる声真似をした)とかね。あはは、合意なんだよ、ぜーんぶ。
███████博士: なるほど。ところで、あなたはどうやってその能力を手に入れたのですか?
SCP-███-JP: んー、さぁ? ある朝起きたら突然超能力が手に入ったんだよ。アメコミみたいじゃないか! きっとこれは神様かなんかがさ、「お前はこれを使って好きなことをしていい」ってくれたんだよ。ラノベとか漫画でもあるじゃん、スーパーパワーを手に入れた主人公が暴れまくるって。で、そういうキャラはどんだけ暴れても許されるでしょ? だから僕も許されるわけよ。こんなパワーを貰ったんだから、有効活用しなきゃ! だから僕も特殊部隊に入れてよ、ほら!
███████博士: そうですか。検討させていただきます。
<録音終了, ████/██/██>
終了報告書: SCP-███-JPは典型的な誇大妄想を抱えており、またその性質上危険この上ありません。あれの頭がかなり悪いことを鑑みてもなお、研究対象として不適切でしょう。終了処分を要請します。 - ███████博士
SCP-███-JPを保護することに対して得られる利益が極めて少ないことから、現在対象の終了が計画されています。
以上はSCP-███-JPとして分類されていた、SCP-019-JPが現在の形に変化する前の存在に関するレポートです。SCP-019-JPはボノボ(Pan paniscus)の個体です。SCP-███-JPは終了処分のさい、頸部を半ば切断されました。SCP-███-JPは現実改変能力を使用し、近くに存在した実験動物の檻に入っていたボノボと、自分の首を入れ替えることで生存を図りました。その結果SCP-███-JPは即座に死亡し、現実改変能力を持った、ボノボの首から上とSCP-███-JPの首から下を持ったSCP-019-JPが誕生しました。SCP-019-JPが最初にやったことは現実改変能力によって、自分の首から下を自分のものに変化させることでした。それ以降現実改変能力の行使が見られていないことから、現実改変能力の源はSCP-███-JPの首から下だったのだろうと考えられています。
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scp-020-jp |
評価: +309+–x
アイテム番号: SCP-020-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-020-JPは、サイト-8141の人型生物収容室に収容されています。壁面の緩衝加工といくつかの植物が植えられています。収容によるストレス行動緩和のため、3日に1度、レベル2職員1名の同行の上、2時間以内でサイト内緑化パブリックスペース、もしくは運動場への散歩を実施させてください。収容室内の清掃、植物の手入れはその際にレベル1職員の手により行われます。SCP-020-JPの危険性は少ないですが、衝動的な行動をとることで自身や職員への傷害に至る可能性はあるため、担当職員は常に腰紐付きリードを手放さず、緊急の場合はスタン警棒を使用してください。レベル2以上の職員はSCP-020-JPと接触可能ですが、故意にSCP-020-JPを驚かすような行動は懲戒の対象となります。食事として、ふやかして潰した穀類と野菜を1日3回与えてください。餌やりの際、担当職員は指定の仮面を着用してください。
説明: SCP-020-JPの外見の大部分は人間の少女に酷似していますが、一番の特徴として、両腕が鳥類の翼状になっていることが挙げられます。翼の翼開張は3.0mになります。収容時の検査の結果、生後10歳~12歳程度と推定されました。翼の骨は通常の鳥類同様トラス構造になっており、柔軟で軽量です。その一方で、翼以外の体には先天的な発育不良と骨粗しょう症の症状が現れています。[編集済]の一部、内臓にも大胆な省略が見られるため、通常の食物を消化するには問題があります。以上の結果として、1.3mの身長に対し、体重は約20kgと軽量になっています。通常の少女と比較して多少の胸、腕の筋肉の発達が見られますが、それらを考慮してもSCP-020-JPが十分に飛翔するには全く不十分です。室内で羽ばたき、着地に失敗した衝撃で2度の脚部の骨折を起こしています。
SCP-020-JPの知能は4歳程度です。発声器官、知能に異常は見られませんが、収容時から言語を発したことはありません。言語カリキュラムにより、収容後██ヵ月で散歩、食事、数名の職員名等の単語、簡単な文は理解します。SCP-020-JPは██県████山中で、衰弱しカラスに襲われているところをキャンプに来ていた████大学生グループによって保護されました。その後██自動車道で実施されていた検問により発見され、財団の関知する事となりました。DNA検査の結果、██%のタンチョウ(Grus japonensis)の遺伝子との相似が見られています。
補遺1:
以下はSCP-020-JP回収直後のインタビューログです:
インタビュアー: ████博士
付記: SCP-020-JP回収時、サイト████にて発見の際の状況を記録。
<録音開始(20██/08/24)>
████博士: さて君で最後だ。えー██████君。カーチェイスでお疲れのところすまないが、もう少し辛抱してくれ。
██████: いや疲れてるけどさ。まあ運転してたのは███だし…全っ然状況がわからねえんだけどあんたら何なの。あと、あの子…あの子は大丈夫なのかよ。
████博士: ああ、怪我は見た目ほど大したことはないな。どちらかというと栄養失調の方が問題だったが、まあ大事はあるまい。
██████: …あの子、なんなのさ。知ってんだろ。酷い事とかしてねえよな。
████博士: 即答できればいいんだが。それを知りたくて我々も君らに質問をしているわけだ。大丈夫、我々は彼女を守りこそすれ、傷つけることはないよ。他の友達へも同じ質問をしているが、最初から話してくれるかな。
██████: なんか腑に落ちねえけど…えーと、俺ら夏休みで、サークルの連中で█████山のキャンプ場から帰る途中だったんだよ。午後五時ぐらいだったか、███道から20分?30分ぐらい走ってるときに、最初にアッキが林の奥になんかあるって気づいたんだ。50mぐらい先かな、 カラスがいっぱいいて…動物の死体かなんかだと思ったけど、人の死体なんじゃないかって███が冗談言ってさ。それで俺ら悪乗りして車降りて見に行ったんだよ。
████博士: そうして近づいてみると、あれ…彼女が倒れていたと。
██████: まあ、そう。最初はでっかい鳥かと思ったけど足が見えてさ。動いたからびっくりして、とにかく枝とか鞄とか振り回してカラス追い払って…本当に近寄るまでは鳥と人が一緒にいると思ったから…びびった。
████博士: そうだろうね。他におかしなものや気づいたことは?
██████: いや気づかなかった。山ん中だし。あの子はガクガク震えてうずくまってて…顔あげたら俺と目があって、いきなりこっちガッと抱きついてきて。とにかく怪我してるしさ。助けなきゃ、って最初に言ったのは俺だけど、たぶん他の二人もみんなそう思ってた。
████博士: そこなんだが。その…彼女はどう見ても人間ではないと君らの目にも映ったわけだが。それでも助ける必要があると思ったのかね?全員が?
██████: …ったりまえだろ!そりゃあんななりじゃ普通に病院にはつれてけねぇなとか、いろいろ考えはしたけど…大体人間だろうがただの鳥だろうが、弱ってる奴が襲われてるとこ見て助けなかったら人でなしじゃん。そんで追い払ったあと、人間じゃないからやっぱり放っておこうなんてしねえよ!
████博士: …うむ、いや失礼した、人間として当然の行動だ。彼女の外見が愛らしい少女のようではなく、たとえば人の腕のついた鳥でも君は正義の心で助けたろう。
██████: クソむかつくなおっさん…まあでもこう、走ってるときになんか自分の知らねぇ世界があるんだ、って映画みたいな高揚感?はあったけど。いやあの子にゃ悪いんだけど。授業はかったるいし、休みったって部室でいつもの連中とだべってるだけだったし。それに車んなかであの子しっかり俺にしがみついてて…それでまあ、これは俺らで守ってやんなきゃならないな、ってさ。
████博士: ハハ、初々しいね。まあ大体分かったありがとう。あと少々検査をしたら、お友達ともども帰宅の許可がでるよ。
██████: っておい、おっさん最初の質問答えてねえぞ。ここなんなんだよ、なんかの研究所なんだろ、まさかあの子みたいなのもあんたらがここで作ったんじゃな(雑音)
<録音終了>
終了報告書: その後の実験の結果、SCP-020-JPが特別な影響力を及ぼしてはいないことが確認されたため、3名は他の目撃者同様、AクラスからBクラスの記憶処理を施して解放されました。 - ████博士
補遺2:
SCP-020-JPは収容後極度のストレス状態となり、食事を殆どとらない状態になりました。更なる検査の結果、発見者██████への顕著な刷り込みが確認されました。Bクラス記憶処理でも効果は変わりなく、Cクラス記憶処理が検討されましたが、SCP-020-JPが何らかの収容前の情報を持っている可能性を鑑み、████博士の代替案で当面問題はないとして、実行は保留されています
██████君を再記憶処理して、SCP-020-JPの飼育員補助に?確かに実行するのは簡単だし、財団はSCPへの対処に必要とあらば潤沢に予算を取るだろう。しかし安価な方法で十分ならば余計な予算の承認は降りないだろうな。大丈夫、餌やりだけならその仮面でも、あれに本物の██████君と、君とを区別する能力はないよ。- ████博士
補遺3:
SCP-020-JPは発見当時、病院の検査着のような衣服を着用しており、左足にアルミ合金の足環がはめられていました。衣服は変哲のないポリエステルと綿の混紡布地で、異常は見られませんでした。足環内部より電磁波が発信されていたため、SCP-020-JPに関わる組織の無線タグではないかと思われます。内容は一定のノイズで解読不能でした。発信装置部分は溶接されており、分解できないため切断して電磁的に遮断された保管ロッカーに別途収容しています。受信先の特定には至っていません。尚、足環には下記の文章が日本語で刻印されていました。
日本生類創研 T-003
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scp-021-jp |
評価: +143+–x
SCP-021-JPの特性が現れた物
アイテム番号: SCP-021-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-021-JPはサイト8181の保管室に収容されています。SCP-021-JPへの接触および使用はレベル4以上の職員2名の許可を取ってください。SCP-021-JPの性質上、SCP-021-JPが装着された場合その特性が収束する前に装着者の脚部を切除する必要があります。実験によってDクラス職員に使用する際は外科手術の準備を行ってください。収容違反が発生した場合、収容施設から周囲30km圏内の一般向け施設に職員を配置し、24時間の監視を行ってください。
説明: SCP-021-JPは二つの要素によって構成されます。SCP-021-JPは左右どちらの足でも履ける両対応のスリッパ一足です。SCP-021-JPは外見上完全に同一のスリッパの一対ですが、二者の間には厳密に左右が決まっているようで、右足用をSCP-021-JP-R、左足用をSCP-021-JP-Lと指定します。装着者が左右の足に正しくSCP-021-JP-RおよびSCP-021-JP-Lを装着した場合はSCP-021-JPは異常な特性を見せませんが、それぞれを逆に装着した場合、装着者の足にSCP-021-JPが完全に固定された状態となった上で、SCP-021-JP-R/SCP-021-JP-Lはそれぞれ自らを正しい状態へ移行しようと時計・反時計周りのどちらかへ反転を開始します(反転の方向に規則性はなく、ランダムに決定されます)。これにより装着者の足首は可動域の限界を超えて旋回し、最終的には完全に180°折れ曲がった状態となります。左右の足が完全に反転した後、SCP-021-JPは自らの前方が装着者の前方と一致しないことに反応し、装着者の腰部関節を反転しにかかります。一連のプロセスにより装着者の腰および足首は完全に180°反転した状態となり、脚部機能はほぼ完全に破壊されます。多くの場合、事後早急な外科的措置をしなければ装着者は死に至ります。
SCP-021-JPが完全に正しい状態を獲得した時、SCP-021-JPは装着者から着脱することが可能となります。SCP-021-JPの特性は、装着者の抵抗または周囲の助力如何によらずほぼ2分~2分30秒で収束します。また固定されている間、SCP-021-JPはいかなる手段によっても装着者の足から着脱することは出来ず、装着中はSCP-021-JPは物理的な損傷を受け付けません。尚、SCP-021-JPの特性が現れた時点で、装着者の特性を受けている部分(足首または腰部関節)から下を切断すれば、SCP-021-JPの特性は効力を失うことが確認されています。SCP-021-JPは特性が収束し装着者から離脱した後、別のスリッパへとその特性が移動します。移動範囲は現在17kmまで確認されています。また特性が完全に収束する前に足首を切断するなどして装着者から離脱させた場合、特性の移動は起こらないようです。
SCP-021-JPは必ず一組で存在し、片足のみで履いても特性は現れません。またデザインの異なるスリッパを左右に履いても同様に効果を発揮しません。SCP-021-JPは特性が現れるまでは他のスリッパと同等の性質を持ち、通常の方法によって破壊も可能です。SCP-021-JPの特性が現れたスリッパを(装着者より離脱してから)破壊した時点で、SCP-021-JPはまた別のスリッパへ移動します。特性が移動する先のスリッパは一対が同一のデザイン(右足用左足用に分かれていない物)であれば、具体的なデザイン・材質に制限はなく、スリッパの先が空洞になっているタイプでも移動可能です。移動先の条件は「多くの人間が集まる施設内で使用されているスリッパ」であると見られ、施設内のスリッパなら使用場所・使用用途・来客用・スタッフ用を問わず特性が現れることが確認されています。逆に各家庭内で使用されているものに関して特性が発露したという報告は現在まで上がっていません。
補遺: SCP-021-JPは20██/██/██、██県██市の█████小学校にて、装着者が異常な損傷を受けている所を財団職員に発見され、その存在が発覚しました。発見当時、SCP-021-JPは装着者の足から離脱しており、また
装着者が履いたと思われるスリッパは既にその特性を失っていました。当時現場に居合わせた同施設職員および児童には記憶処理が施されました。その後、当該施設より約3.5km離れた市営公民館にて同様の現象が報告されたことで、周囲5km圏内のスリッパを扱う全施設に財団職員が配置されました。数週間後、3度目の事例が2度目の事例から11km離れた地点で発生した為、対象範囲が20kmに拡大されました。5度目の事例で財団職員によってSCP-021-JPは確保・収容される運びとなり、その際の移動距離は17kmでした。
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scp-022-jp |
評価: +260+–x
収容直前のSCP-022-JP(擬態中)
アイテム番号: SCP-022-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-022-JPは標準的な人型収容室に収容して下さい。収容室の壁面全てにブラックライトを取り付けます。当直のセキュリティ担当はブラックライトを2個以上携行して下さい。
SCP-022-JPには食事として1日3回、検閲済みの書籍を1冊ずつ与えます。食用か否かに関わらず、禁止書籍のリストに記載された書籍を与えてはいけません。対象との接見や音声を伴う録画は、研究目的に限定されます。
説明: SCP-022-JPは人型のオブジェクトで、頭部が書籍で構成されています。首から下は若い女性で、生理学的には人間のそれとほぼ同じです。知能は平均的な成人より高く、知能テストの平均値は109でした。対象は現在、日本語・英語・ドイツ語・フランス語・北京語の文章をかなり正確に読解できます。ただし会話は日本語でしか行えません。
SCP-022-JPは"メイク"と呼称する方法で偽装し、頭部も人間になりすますことができます。眼鏡をかけたアジア系女性と推定される顔になります。他のパターンは確認されていません。この擬態は、一定以上のUV-Aを含む照明で2方向以上から照射した場合に解除されます。そのため最も簡易な方法は、ブラックライトで照らすことです。原理は解明されていません。
SCP-022-JPの特異性は、身振りを伴う発話を行った場合に発生します。これらを認識した人物の知識や肉体に、異常な影響を及ぼします。録画された会話にも特異性が確認されました。一方、文章や音声での会話、あるいは身振りだけの場合、特異性は発現しません。そのため音声と動作を認識した場合に特異性が発現すると考えられます。
SCP-022-JPは収容前、"臨時教員のホンナ先生"と自称して各地の学校に出没しており、正規の教員の代行として授業を担当していました。いずれの事例でも関係者は不審感を全く抱いていなかったことが確認されています。これらの"授業"を受けた生徒に相次いで異常が発生したため、財団の目に留まりました。確認された事例の一部を抜粋します。
場所
内容
結果
███中学校1年B組
数学の授業を担当。リンゴ5個とみかん8個を調理し、できたジャムをノートに塗る。
生徒たちは未習得だった二次方程式を完全に理解した。11人の生徒が軽度の食物アレルギーを発症。
███高校運動場
体育の授業を担当。砂場に大型車の廃タイヤを置き、生徒と一緒に転がし続ける。
生徒は全員「鉄棒の授業だった」と回答。全員が大車輪を習得していたが、着地法が未習得だったため翌週の鉄棒の授業で3人が骨折。
████幼稚園うさぎ組
おゆうぎの時間を担当。[編集済]と[編集済]を用いて、[編集済]を模した遊びを行う。
園児たちは全員「たのしかった」と回答。園児間での恋愛が急増し、一部が問題行動を起こす。
国立███大学中庭
統計力学の講義を担当。シャボン玉を使い、表面張力について説明。
学生たちは「エントロピーの講義だった」と回答。精神的に不安定になる学生が続出。2名が自殺未遂を起こし、「バブルだ、それは泡だ。この宇宙は[編集済]によって熱的終焉を迎える」 と発言したため全員に記憶処理を実施。
財団は過去の事例から対象の出現地域を予測し、対象を最後の事例である国立███大学敷地内で確保。対象は抵抗せず、財団に保護を求めたため、そのまま収容しました。その後の対象へのインタビューの結果、対象は以下の事例を申告しました。
場所
内容
結果
██小学校4年2組
理科の授業を担当。地図を赤く塗りながら、水彩絵具の使い方を説明する。
児童たちは「リトマス試験紙の授業だった」と回答。酸と塩基について高校化学レベルの知識を得る。児童たちはその後、図画工作で赤い絵具しか使わなくなった。
█████大学文学部203教室
社会思想史の講義を担当。地図を赤く塗りながら、水彩絵具の使い方を説明する。
学生たちは「社会思想史の講義だった」と回答。全員が「冷戦時代の共産主義について斬新な解釈を示した」と評価。それまでの政治信条とは無関係に、全員に共産主義に対する極度の崇拝、もしくは嫌悪が確認された。
財団の追跡調査の結果、これらは事実であると確認されました。同じ"授業"を行い、異なる結果が出ていることから、特異性は"授業"を受ける側の知識に左右されると考えられます。財団は検証のために実験を実施しました。
実験記録004 - 日付2014/██/██
対象: 知的水準の異なるDクラス職員4名。
実施方法: 対象に事前説明なしにSCP-022-JPの説明を聴講させる。内容は地図を赤く塗りながら、水彩絵具の使い方を説明するもの。
結果: 殺人の前科を持つD-7235が突如興奮し、放火の前科を持つD-3951を殺害。D-3951の死体は原因不明の発火により全焼した。それ以外の2人はそれぞれ「中学校の社会科の授業だった」「絵具の説明だった」と回答。
分析: 聞き手の知識や先入観によって、SCP-022-JPの発話は異なる結果をもたらすことが確認された。なお物理的な特異性も発現することが判明したため、同種の実験は禁止とする。
対象は現在、収容に対して協力的です。また対象は書籍以外の固形物を栄養として摂取できません。そのため財団は対象の要求に応じて、書籍を食事として提供しています。
検査の結果、摂取された書籍は咀嚼によって分解され、炭水化物とタンパク質に変化することが確認されています。栄養価は書籍の内容によって変化し、SCP-022-JPは内容ごとに風味も異なると証言しています。一般的に高度で専門的な内容ほど、栄養価が高くなる傾向が確認されています。
その後、対象は摂取した書籍の内容を部分的に記憶することが判明しました。収容違反の恐れがあるため、技術書・歴史書・哲学書などを与えることが禁止され、禁止書籍のリストが作成されました。
補遺: SCP-022-JPの情報は、SCP-022-JPへのインタビューによる証言が大半を占めています。これらの内容は検証が不十分であるため、補遺として記載します。インタビューログを参照して下さい。
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対象: SCP-022-JP
インタビュアー: エージェント・マオ
付記: 前回インタビュー時のインシデントを受け、インタビューには制限時間を設けています。
<録音開始>
エージェント・マオ: ではインタビューを開始します。今回は私が担当します。
SCP-022-JP: よろしくお願いします。えっと、あの……███様は?
エージェント・マオ: ███研究員は前回インタビューの後から心の調子を崩しまして、現在は治療中です。
SCP-022-JP: そう、ですか……。
エージェント・マオ: ではまず、もう一度あなたの経歴と、ここに来たいきさつを話して頂けますか?
SCP-022-JP: は、はい。私はホンナイキと申します。ガガフチ大学大学院 狂育学研究科修了、専攻は汚染粒子文学です。最終戦績は178戦592勝4敗でした。窮士論文は"メケッパにおけるホソソブのルガンチャ理論の破壊"です。
エージェント・マオ: ……えーと……メケッパって何ですか?
SCP-022-JP: あ、はい! これはですね、ルリョーグ悶書の第9億3千万2章のセセラ砲程式をテーマにした錯品でして、ちなみにルリョーグはこちらの概念でいうと、「雨の日に黒猫を見たときに抱く7番目の感情」に近似しているというのが、私の考察です! 次に……。
エージェント・マオ: すみません。時間も限られていますので、それは次回以降にお願いします。ここにいらした経緯は?
SCP-022-JP: す、すみません……。こちらに来た原因は、私にもわかりません。いつも通り玄関を出て出勤したら、小学校っていうんですか? 小さな人たちがたくさんいるところに出てしまいました。
エージェント・マオ: つまり、あなたにとっても異常事態であるということですね。
SCP-022-JP: そうなんです。私ってそそっかしいから、よく間違えて違う所に来てしまうんですけど、今回は戻ろうと思っても戻れなくて……。
エージェント・マオ: ちなみに現在は、ドアなどをくぐってどこか別の場所に行けますか?
SCP-022-JP: いいえ、こちらのものは構造が違うので不可能です。仕方ないので徒歩で移動してあちこちで授業しながら、駅や公園で野宿していました。助けて頂いて、本当に感謝しています。空は青くて不気味だし、雲は白くて毒々しくて、まるでパキメリ爬の抽瘴画みたいな場所ですけど、こんな場所にも親切な人っているものですね。
エージェント・マオ: 我々はあなたを収容しただけですよ。なぜ授業を?
SCP-022-JP: お腹が空いちゃって、教卓の上のテキストを食べたくなったんですけど、代価も支払わずに勝手に取るのは卑しいゴネーバですから。私にできるのは授業をすることだけなので、精一杯授業しました。
エージェント・マオ: ゴネーバって何だ……ところで、あなたは我々と同じような顔になることもできますね? 動機と方法を教えて下さい。
SCP-022-JP: えっ!? だって私も、大人のX5ですよ? すっぴんで授業なんて、恥ずかしくてできませんよ!? ちょっと可視光をグロン域まで曲げるだけですし、いくらメケポな私だって、それぐらいはしますって!
エージェント・マオ: ああ、化粧みたいなもんか。失礼、X5とは何ですか?
SCP-022-JP: な、何を聞くんですか!? そ……そんな恥ずかしいこと、言えません……。
エージェント・マオ: 何かタブーに触れる内容でしたか? 申し訳ありませんが、それでも教えて頂きたいのですが。
SCP-022-JP: え……えっと、ですね……女の子にも、いっ、色々ありまして……察して頂ければ嬉しいです。あの、ほんとすみません……。
エージェント・マオ: 性別という理解で概ね合っているでしょうか?
SCP-022-JP: は、はい……ごめんなさい、それ以上はもう無理! 無理です! 他のこと聞いて下さい! やだもう!
エージェント・マオ: いえ、███研究員の例もありますので、今回のインタビューはそろそろ終わりです。何かあなたの方から、我々に質問や要望はありますか?
SCP-022-JP: あ! それなら、ひとつだけお願いがあるのですが。私もここで、働かせて頂けませんか? 衣食住を全て面倒みて頂いてるのに、今のままではヨッパ食いみたいで心苦しくて……窓突きでもトイレ弔意でも、何でもしますから。
エージェント・マオ: あー……お気持ちは嬉しいのですが、それは不可能です。あなたが理性的で、善良な人格を有するオブジェクトであることは個人的に認めますが、それだけはできません。
SCP-022-JP: どうしてですか?
エージェント・マオ: どれだけ理性的で善良であろうとも、あなたは我々にとってSCP-022-JP以外の何者でもありえません。あなたは収容する側ではなく、される側なのです。御理解下さい。
SCP-022-JP: そ、そっか、そうですよね……。あ、あはは、私ったら何を馬鹿なことを……。
エージェント・マオ: 気を落とさないで下さい。後で児童書のインク煮込みをお持ちしますよ。では御協力ありがとうございました。インタビューを終了します。
SCP-022-JP: はい、こちらこそありがとうございます。今後とも、よろしくお願い致します。
<録音終了>
終了報告書: 収容違反の可能性を完全には否定できないため、対象がドアを通過する事態は必要最小限に留めるべきです。
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scp-023-jp |
評価: +257+–x
封鎖処理を施したSCP-023-JPへの通路
アイテム番号: SCP-023-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: その性質からSCP-023-JPの完全な封じ込めは困難です。現在営業している日本国内全ての鉄道会社の協力の下、全ての鉄道駅は常時監視され、SCP-023-JPへの通路や階段が発見された場合、その収容違反は即座にSCP-023-JPの監督官と機動部隊い-28("駅の工事作業員")に報告されます。機動部隊い-28は強靭なネットや金属製の仮囲いを用い、工事現場に見せかけてSCP-023-JPへの通路を完全に封鎖し、一般人の侵入を防ぎます。また監視映像を確認し、封鎖までに誤ってSCP-023-JPへ侵入した者がいれば全て記録します。もしもSCP-023-JPから生還した者がいれば、SCP-023-JPでの体験を聞きだし、後にAクラスまたはBクラス記憶処理を施されます。SCP-023-JPへの通路の封鎖はそれが消滅次第、解かれます。
過去何度もの大規模な収容違反に対して、鉄道会社と協議しカバーストーリーを用意してきました。SCP-023-JPは早急に無効化されなければなりません。 - 日本支部理事"██"
説明: SCP-023-JPは未知の鉄道路線です。運営する鉄道会社や運営時間は不明です。SCP-023-JPは日本国内で営業しているあらゆる鉄道駅に何の前触れもなく干渉し、未知の方法で自身の路線に通じる通路や階段を増設します。その規模や場所に法則性は見られません。増設の経過はこれまで観測できておらず、監視映像では瞬間的にそこに出現しています。増設された通路やプラットホームは干渉した駅と同じ見た目に偽装され、元々の駅の構造を知らなければ区別することはできません。同様に通路内の案内表示はあたかも国内の既存の路線であるように偽装されます。既存の案内表示は書き換えられることはなく、多くの場合はそれらと矛盾するため、注意していればSCP-023-JPの存在に気付くことができるでしょう。駅の外観に変化はありませんが、内部は作られた構造物の分だけ空間が広がり、それに合わせてその周囲の空間が歪むことが観測されています。この干渉現象がどの駅にいつ発生するのかは、完全に不規則で予測できません。この現象は短くて数分から数時間、長くて数か月から数年で消滅し元通りになります。同じ駅構内で移動するような例も確認されています。最も長く現象が継続している例は██████県████駅で、19██/██/██から現在まで依然としてそのままです。SCP-023-JPの根本的な発生経緯は不明です。最初の観測例は18██/██/██で、当時の秘密裏に対処していた団体は、現在の財団の日本支部に至る前身団体の1つに当たります。
SCP-023-JPへ増設されたプラットホームには既存の路線を走るものと同じ型の列車が停車します。この車両は既存のどの鉄道会社の所有でもないことがわかっています。この列車に乗った人間は本来存在しないはずの駅に到着するなどの不可解な現象に遭遇します。そして最終的に行方不明になるか、もしくは何らかの悲惨な形で発見されることになります。SCP-023-JPを走る列車が短い時間で再び通常の駅に乗り入れる例が報告されており、これまでの生存者は全てそのような状況で降車しています。列車に纏わる都市伝説のいくつかがSCP-023-JPでの現象と類似していることから、財団が把握できていないSCP-023-JPへの乗車例があることが指摘されています。乗車後に起きる現象の詳細については次の各記録を参照して下さい。
+ 1991/██/██実験音声記録の写し
- テキストを隠す
実施日: 1991/██/██
実験概要: 実験対象D-023-JP-98に無線通信機と発信機を持たせ、████駅でSCP-023-JPに乗車させた。音声は常に中継され、実験は████博士が指揮した。
<記録開始>
D-023-JP-98: 電車が止まってるぞ。これに乗ればいいのか?
████博士: はい。車内の様子を伝えて下さい。
D-023-JP-98: 中は普通の████線の電車だ。誰もいない。[発車音]どうやら出発したようだ。外の景色は真っ暗で何も見えない。
████博士: 他の車両にも誰かいないか確認して下さい。
<中略。しばらく他の車両の確認作業が続けられる>
D-023-JP-98: ここが最後だ。誰もいないな。気味が悪いことに。
████博士: 運転手はいますか?
D-023-JP-98: 運転席の窓に布がかかってて見えない。
<発車から15分経過。発信機の示す列車の位置は本来線路がないはずの位置を走り続けている>
D-023-JP-98: 何言ってるか聞き取りづらいが、そろそろ止まるようだぞ。
████博士: 「聞き取りづらい」? 車内アナウンスがかかっているのですか? こちらには聞こえませんが。
D-023-JP-98: 無線機のせいじゃないのか?[実験に使用した無線機は車内アナウンスを含む環境音も拾えることが事前に確認されている]
████博士: どのような内容か口に出して伝えて下さい。
D-023-JP-98: くぐもっていて「停車する」くらいしかわからない。速度が緩まってきたから、多分止まるのは合ってるぞ。
<列車が停止する。████博士の指示でD-023-JP-98は降車。発信機は彼の現在地を████県の████山の中であると示している>
D-023-JP-98: 駅のホームだ。場所は……書いてないからわからん。コンクリ製のホームしかない。周りは真っ暗でわからんが、傍に道路が走ってて、後は林と畑が見える。
████博士: 発信機と地図を照らし合わせると、そこがそんな場所とは思えないのですが。
D-023-JP-98: だがそう見えるぞ。
████博士: 周りをちょっと歩いてみて下さい。道路に沿って。
<D-023-JP-98の足音が聞こえる。音声には大きな雑音が混じり始める>
D-023-JP-98: 何も……待て……いる。……揺れて……白い……みたいな影だ。
████博士: 雑音が酷いです。もう一度お願いします。
D-023-JP-98: アレは……俺を……いる……[判別不能]。
████博士: 何ですか? もっとはっきり。
D-023-JP-98: こっちに来いよ。
<無線が途絶える。部隊が発信機の示す場所へ向かうと、████山中で倒れるD-023-JP-98を発見。[削除済]。2時間後に彼の死亡を確認>
+ 1999/██/██実験音声記録の写し
- テキストを隠す
実施日: 1999/██/██
実験概要: 実験対象D-023-JP-756に無線通信機と発信機を持たせ、████駅でSCP-023-JPに乗車させた。音声は常に中継され、実験は████博士が指揮した。
<記録開始。D-023-JP-756はやってきた列車に乗る。出発直後、発信機は線路が走っていないはずの街の方へ移動>
D-023-JP-756: 電車に乗ったぞ。車内は……席が横に並んでるやつだ。あー、長椅子じゃなくて、2席ずつの。
████博士: わかりました。乗客はいますか?
D-023-JP-756: ちらほらいるぞ。[少しの間]うわ、気味が悪い。
████博士: どうかしましたか?
D-023-JP-756: 顔や肌が黒い影みたいだ……マネキンか? ピクリとも動かないが。ああ、最悪だ。
████博士: わかりました。他に異常はありませんか? 他の車両を確認してみて下さい。
D-023-JP-756: ちょっと待て、前の車両の扉が……おい、こいつは動いてるぞ!
████博士: それは何ですか?
D-023-JP-756: 影のやつだ! 駅員の服を着て……こっちに来るな! 今から後ろの車両に逃げる……おい、クソ、開かないぞ!
████博士: 落ち着いて下さい。
D-023-JP-756: 来るな! やめろ、触るな! ああっ……!!
<音声がくぐもった音に包まれ、途絶える。発信機の通信も消え、場所がわからなくなる。D-023-JP-756は現在も行方不明>
+ 2005/██/██実験音声記録の写し
- テキストを隠す
実施日: 2005/██/██
実験概要: 実験対象D-023-JP-1455に無線通信機と発信機を持たせ、████駅でSCP-023-JPに乗車させた。音声は常に中継され、実験は████博士が指揮した。
<記録開始。D-023-JP-1455はやってきた列車に乗る。出発後、発信機は既存の線路を横切るように移動>
D-023-JP-1455: 電車に乗ったぞ。車内は普通の感じだ。乗客もそこそこ。
████博士: 乗客はどのような感じですか?
D-023-JP-1455: どのようなって、普通だぞ。スーツのおっさんに女にばあちゃん……。
████博士: ちょっと待ってください。肌が影のようになっていませんか?
D-023-JP-1455: 何言ってんだ、おい? 至って普通の……[後ろに話し声が混じる]。
████博士: 緊急事態です! ████線で規模不明の収容違反が発生しています! 機動部隊を! 至急理事に連絡をお願いします!
[削除済]
[削除済]
+ 2011/██/██実験映像記録の抜粋
- テキストを隠す
実施日: 2011/██/██
実験概要: 実験対象D-023-JP-2760に無線カメラと発信機を持たせ、████駅でSCP-023-JPに乗車させた。映像は常に中継され、実験は████博士が指揮した。
<記録開始>
D-023-JP-2760: ホームに着いたが……なんだこりゃ、線路の代わりにチューブが走ってるぞ。ずいぶん先進的だな。
████博士: [少し考えて]真空チューブ? いや馬鹿な……。
<カメラがチューブに近付く。するとチューブの一部分がスライドドアのように開く。ドアをくぐったカメラは車内を映す>
D-023-JP-2760: 中は普通の電車みたいだな。長椅子のやつだ。
<カメラが車内を見渡し、ドア上の電光表示器を映す。内容が読み上げられる>
D-023-JP-2760: 「次世代高速列車にご乗車いただきありがとうございます」だってさ。「最高時速3600キロ」……なあ、1つ聞いていいか。
████博士: どうぞ。
D-023-JP-2760: この列車は安全か?
████博士: [嘆くように息を吐く]
D-023-JP-2760: おい、答えろよ。扉は……閉まってるぞ。「もうすぐ発車します」? クソッ! カウントダウンしてるぞ! 3、2、1……。
<一瞬ぶれた後、映像が途切れる>
注: 列車は発車直後に追跡できなくなりました。D-023-JP-2760は依然行方不明です。
2011/██/██実験映像記録抜粋画像
注: 映像記録を確認中、████博士は映像に映る電光表示器の表示が実験時と異なっていることに気付きました。このような変化はこれが初めてです。類似する変化を発見した職員は、SCP-023-JPの監督官へ報告して下さい。
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